でんきメモ

不足電圧継電器の目的

UVR 不足電圧継電器 図記号
・停電と復電の際、非常用発電機を運転、停止させる
・停電の際、非常用照明を点灯させる
・電源切替器の非常系への切替
・停電や復電の際、シーケンス制御でVCBの投入と遮断の操作を自動で行う

不足電圧継電器の整定値

■動作電圧
一般的に80〜90V

■動作時間
一般的に1〜2秒
動作時間が早いと電力会社の「瞬低」などで不必要動作してしまう可能性

UVRの試験方法

P1P2配線を外して端子に直接電圧を印加する理由。
VTTから電圧を印加すると警報回路用のパワーリレーにも電圧が印加される。
AC100V用のパワーリレーは電圧を徐々にあげていくと60Vを超えた付近でチャタリング発生。
パワーリレー接点回路に電圧が印加された状態でチャタリングが発生すると接点溶着や焼損の可能性。

不足電圧継電器と瞬低(瞬時電圧低下)

雷が送電線や配電線Aに落ちると、電圧低下が発生。
一般的に1/000~10/1000秒の間で回復する。
電圧低下が回復しなかった場合、電力側は落雷発生時点から0.02~2秒で落雷した送電線を切り離す。
電圧が低下している状態の時間のことを「瞬低」と呼ぶ。
この瞬低でUVRが動作する可能性あり。

最閉路とは?

送電線(配電線を含む)に落雷などによる事故が発生。
保護リレーが動作して事故区間が遮断器の開放により切り離される。
ある一定の時間で自動的に遮断器を再投入。
切り離された送電線を再び閉じる。

■最閉路の時間
高速再閉路方式:1秒程度以内で再閉路
中速再閉路方式:1~15秒程度で再閉路
低速再閉路方式:1分程度で最閉路

不足電圧継電器は、停電した時に動作する必要がある。
なので、電源がなくなっても接点が閉になる様にしなければならない。
なのでUVRのB接点は、動作時(停電時)に閉になる様になっている。

UVR P1P2を、VCB負荷側VTから入力した場合
VCB投入で電圧確立(復電)するのでタイマーがないとVCB投入と同時にすぐトリップしてしまう。
タイマーリレーを設けてUVRが復帰するまでの間トリップさせないようにしておく(2~3s程度)

UVRのシーケンス図と線番

受電時⇒27復帰、b1-c1開路、a2-c2閉路
UVRのb接点(b1-c1回路)はVCBのトリップ用配線
UVRのa接点(a2-c2回路)はVCBの投入用配線


UVRとVCBの連動シーケンス
52Rは手動VCB、52F1は自動⇔手動切替可能
地域停電発生⇒27R動作(b1-c1閉路、a2-c2開路)⇒52F1開路
地域停電回復⇒27R復帰(b1-c1開路、a2-c2閉路)⇒52F1閉路

UVR裏面端子の例
保護継電器のP1P2はVT2次側と接続されているため端子のEにはD種接地をする。

UVR継電器の点検・試験中の事故やトラブル

OCR + UVRでOCR電圧引き外しの連動試験ができない
静止型UVRの場合、UVRの引き外し用配線(c1 or c2)だけを外す。
UVRの動作接点はVCBの引き外し回路、または投入用回路になっている。
UVRのVCB開路線を常にオープンにしておくことでVCBがUVRによって開路されない。

UVRの配線戻し忘れ、戻し間違いをすると期待していたシーケンス動作にならない。
UVRの役割は停電警報表示やVCBの自動投入・自動開放を制御する。
そのため停電・復電操作をVCB手動モードで行うと制御が正常かどうかの確認ができない。

誘導型のOCR+UVRの場合
UVRの円板を動作状態に固定してあげてテープで止めた状態でOCRの試験をする。
停電中はUVR接点が閉なのでVCBを投入してもTCで引き外されて入らないことがある。

UVR、P1P2上流(VT下流)にあるヒューズが切れてUVR動作⇒VCB開放。
停電していないのにヒューズ切れだけでUVR動作して予期せぬ全館停電。
自動シーケンスで制御するメリットのない設備は自動⇔手動を手動にしておいた方が良い?

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