地絡事故における電圧と電流の位相
問題PAS2次側引込ケーブルR相で1線地絡事故が発生した。
①発生する中性点の対地電圧「零相電圧」は、地絡電流に対して進み位相か?遅れ位相か?
②またそうなる理由は?
③地絡事故がR相ではなくT相であった場合、何か違いは?
需要家内で地絡事故が発生した場合
電力側から地絡事故点へ流れる電流Inの他にも、当該需要家、他需要家の対地静電容量分Ic=(I1+I2+I3)も地絡事故点に向かって流れ込む。Ig = In + Ic
InとVoは同位相
IcはVoに対して90°進み位相(対地静電容量分の充電電流)
IgはVoに対して30°程度進み位相(同位相Inと90°進みのIcを合成したため)
動作域を±90°とって進み120°~遅れ60°を動作値とした。
需要家外で地絡事故が発生した場合
「需要家内部の高圧ケーブル等の対地静電容量による電流だけ」が外部の地絡事故点に向かって流れる。需要家内部から事故があった需要家へ向かって流れるので、Inとは逆方向(位相差180°)に流れる。
他回線地絡事故の場合、Voに対してIgは遅れ90°なので不動作領域。
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