交流集電箱内メインブレーカーの誤動作と対策方法
50kW以下の低圧太陽光発電設備において、集電箱内の主幹ブレーカーが開放されてしまったトラブルの例。ネットで知り得た情報から個人的な予想と考察を記録した。
■開放された主幹ブレーカー
テンパール B-403EA(300A・逆接続可能)
■集電箱内の温度を調査
調査に使用された温度ロガー
「A&D デジタル温度データロガー AD-5326T」
■主幹ブレーカー開放の原因予測
交流集電箱内の温度上昇が原因。
特に発電電流の多い正午前後に箱内の温度が高くなることが判明。
電流のジュール熱と交流接続箱内の温度(ブレーカーの周辺温度)でブレーカーがトリップすると推測。
■対策方法
集電箱内に空冷ファンを設置
「AC Infinity MULTIFAN S3-P 静音 120mm」
盤の中へ吸気するのではなく、盤の外へ排気をする。
■工事方法(予想)
電源のとり方集電箱内の主幹ブレーカーの1次側(PCS側)から制御電源をとる。
1φ3Wの場合、R-N もしくは T-N の100V⇒100Vコンセント⇒ACファン。
3φ3Wの場合、三相のうちどれか2相の200V⇒200/100電源用トランス⇒100Vコンセント⇒ACファン。
200V/100V降圧トランス
■対策結果
交流集電箱内の温度は下がり、ブレーカー誤動作は発生せず。
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