テスターで静電容量を測定する原理
テスターの電流発生回路より、測定対象のコンデンサに、既知の電流Isを印加する。
タイマにより、コンデンサの端子間電圧が、ある基準電圧値Vcに達するまでの時間Tcを測定する。
測定対象のコンデンサの静電容量Cx=Is×Tc/Vcより算出する。
※この方式は、測定対象のコンデンサに直流電流を流すので、漏れ電流の大きいコンデンサ(使い古した電界コンデンサ)や、回路に組み込まれたコンデンサ(並列に抵抗が接続された状態)では正しく測定できない。
静電容量の単位
所有しているテスターで測定できる静電容量の上限~下限を覚えておく。また、静電容量の単位を把握しておく。
- ミリ mF 10^-3
- マイクロ µF 10^-6
- ナノ nF 10^-9
- ピコ pF 10^-12
テスターで静電容量を測定する際の注意点
- 測定する端子には、外部から電圧を絶対に加えないこと。
- 測定する前に、コンデンサ内の電荷を放電してから測定をすること。
充電されたコンデンサを放電する方法
- 銅線の片方を接地に、片方をコンデンサに接触させて、コンデンサの電荷を地面へ逃がす
- 適切な抵抗器をコンデンサ両端に接触させ、電流を流し、電力を消費させることで放電させる
測定に関する疑問
静電容量の測定方法は、測定対象に一定の電流を流し、タイマによって充電されるまでの時間を測るらしい。もしコンデンサにある程度の充電がされていた場合、ある基準電圧値Vcに達するまでの時間は短くなり、本来の静電容量より小さい値が出てしまう?