でんきメモ

DS 89 断路器

DS(disconnect switch)
日本名は断路器。ジスコンとも呼ばれる。番号は89。
電流が流れていない電路を開閉するための装置。
短絡電流や負荷電流を遮断する能力はない。
遠隔での動作はない。

断路器は、VCBの1次側に取り付けて、断路器を開放することで、真空遮断器や保護継電器を無電圧状態にできる。

断路器がない場合、遮断器を引き出し式にしておかないと、受電点での停電が必要となり、かつ作業者が自ら停電確認できないため、作業の危険性が高くなる。

断路器は、わずかな隙間状態が継続すると、アーク(気体放電、高温で強い光を発する)の原因となるため、フック棒を勢いよく操作するのが原則。

アークとは?

飛散したアークが極間や大地に渡ると、アークを通じて、短絡事故や地絡事故につながるため大変危険。

「負荷電流が発生している状態で断路器が開放する」といったようなヒューマンエラーを避けるため、断路器の二次側にある遮断器とインターロックを組み、「遮断器が投入状態では断路器が動作しない」という機械的な保護機構を備えるのが安全上望ましい。

断路器の定格

定格電圧:7.2kV
定格電流:200A・400A・600A
定格短時間耐電流:8kA・12.5kA

定格短時間耐電流とは?
規定の時間(1秒以上)その断路器に通じても異常が認められない電流の限度のこと。

ジスコンの電流開閉性能は?

メーカーHPより
断路器の電流開閉性能は1A以下であれば開閉可能。
断路器は電流開閉をたてまえとしない機器。
しかし充電された電路、ブッシング、母線、接続線、CVケーブルの充電電流のような微小電流は流れている。
これらの微小電流を1A以下と考え、断路器でこの電流を開閉する性能があることを確認している。

断路器の種類

■単極単投形フック棒操作方式


■三極単投形フック棒操作方式

単極断路器を3台を共通ベースに取り付ける。
操作機構を三極共通の連結ロッドで接続したもの。
ブレードではなく操作レバーのフック穴にフックを掛けて三極同時に開閉する。

■三極単投形遠方手動操作方式
全体像

手元のハンドル部分

ロック解除部分


このタイプのジスコンを開放する際は、ロック解除をしながらジスコンを開放する。
またジスコンを投入した際は、しっかりロックがかかっているかどうかを確認する。
ロックがかかっていないと、ロック解除なしでジスコンが簡単に開いてしまう。


断路器の開閉操作の注意

断路器を開く時は、必ずVCBを切ってから。
断路器を入れる時は、必ずVCBが切れた状態で。
アークによる負傷を防ぐため。

断路器の事故例
・充電状態にも関わらず断路器を開放し、アークを顔面に浴び、火傷を負った。
・停電点検後、断路器1次側に短絡接地器具(アースフック)をとりつけたままPAS投入、短絡事故。

関連ページ

TOPに戻る