でんきメモ

SPDとは?

SPDは英語で Surge Protective Device。
低圧サージ防護デバイス。
低圧回路の雷サージから機器や回路を保護するデバイス。
雷などによる過渡的な過電圧で機器が故障しないようにサージ電流を分流して機器を保護する。
LA(避雷器)は、高圧・特別高圧電路の雷保護用機器の事を指す。

SPD 外観

SPD 配線図

SPD 回路図

SPDの種類

電源用SPD クラスⅠ
直撃雷対応。
電源や接地(アース)から侵入する雷サージから機器を保護。
直撃雷の分流成分を処理し、配電盤や分電盤に取り付ける。

電源用SPD クラスⅡ
誘導雷対応。
電源や接地(アース)から侵入する雷サージから機器を保護。
スタンダードなSPDで、配電盤や分電盤に取り付ける。

接地間用SPD
接地間の電位差を等しくする(等電位化)
接地間に接続することで電位差を解消し、内部の機器を保護する。

信号回線用SPD
信号回線から侵入する雷サージから機器を保護する。
信号回線用、電話回線用、通信線用、シリアル信号用、計装回線用、制御電源用など、製品の種類が幅広い。

SPD避雷器は雷サージの侵入で劣化する

一度の落雷による雷電流は30~40kA程度と言われているが、まれに200kA以上の雷電流が発生することがある。
度重なる雷サージや過度の雷サージにより、SPDは劣化することがある。
SPDは、想定以上の雷サージが侵入した場合、自身を犠牲にして、機器を保護する。
この時、SPDは故障状態になり、安全に回路から切り離されるが、SPDが設置されていない状態となる。
なので、雷サージが再度侵入した場合、機器は保護することができない。

劣化接点出力端子(Sタイプに標準装備)

劣化接点出力端子に信号線を配線すると、警報や遠隔監視が可能。
ただし、遠隔監視装置を信号線から侵入する雷サージから保護するため、監視装置直近に信号線の電圧に応じた信号回専用のSPDを設置しなければならない。
受電状態にも関わらず機能表示ランプが消灯していた場合、SPDの劣化が目視によって確認できる。
劣化確認機能のあるSPDの場合には、受電状態の時にランプ点灯を確認する。
劣化確認方法として、テスターを使用した確認方法もある(メーカーによる)


SPD分離器とは?

SPDが短絡故障したとき、短絡電流を安全に遮断すること。
万が一、SPDが短絡故障を起こしても、安全に回路から切り離すことができる。
また、SPDの点検時には、SPDを回路から開放し、無電圧での作業が必要となる。
しかし、SPDに点検用断路機能がある場合、主幹の配線用遮断器を切らず、負荷機器に通電したままSPDの点検ができる。

SPDの絶縁抵抗測定

SPD(避雷器)は内部に電子部品を使用していて、一般的な耐電圧試験(商用周波耐電圧試験)をすると内部回路が損傷する。
また、秒単位の高い電圧には耐えられないので、絶縁抵抗試験をする場合にはSPDを回路から切り離す。
対策として、SPD(避雷器)の電源側に栓形ヒューズを設置することが推奨される。
この栓形ヒューズは、SPDの過電流保護と試験時・取替え時の断路器の役目を果たす。

分電盤SPD


接続順
MCCB⇒ヒューズホルダ⇒SPD⇒接地
ヒューズホルダやSPDはDINレールに取り付ける。

関連ページ

TOPに戻る