ビルメンメモ

地下ピットの酸素欠乏症

「ピット」とは、穴・くぼ地のこと。
建築のピットとは、地下に設けた配管を通すための空間のこと。
例えばトイレは、排水する配管と給水(手洗い)する配管がある。
これらの配管をピット空間に通すことで維持管理が簡単になる。

配管ピット内における酸素欠乏症

事故例
1階トイレの配管ピットの点検作業。
変わった臭気を感じたので、息を止めて外へ出た。
気のせいかと思い、再度ピットへ入り点検作業。
しかし頭痛、吐き気がひどくなり、救急車で病院に運ばれ、酸素欠乏症と診断。

事故の原因
ピット内は湿度が非常に高く、カビ臭があり、床、壁等には水滴が付着していた。
型枠は湿気を含んでおり、随所で腐食し、菌類が発生していた。
硫化水素濃度は、酸欠則に規定する10ppmを超えていなかった。
しかし酸素濃度は16%程度であった。
有機物の腐敗、菌類の発生により酸素が消費されたためと推測。

配管ピット内における酸素欠乏症

空気中の酸素濃度が18%未満である状態を酸素欠乏と呼ぶ。
酸素濃度が低い空気を1回吸い込んだだけで死亡することもある。

作業前に酸素濃度・二酸化炭素濃度の測定
二酸化炭素:1.5%以下
酸素濃度:18%以上
硫化水素濃度:10ppm以下

換気扇がついているマンホール地下の電気室でも、換気扇が動いてなければ危険?
電気管理技術者は酸素濃度測定器を持っている?

事前確認

酸素欠乏危険場所の事前確認
タンク、マンホール、ピット、槽、井戸、たて坑など。
内部が酸素欠乏危険場所に該当するか、作業中に酸素欠乏空気及び、
硫化水素の発生・漏洩・流入等のおそれはないか、事前に確認。

資格・教育・義務

酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育(酸欠等特別教育)
酸欠や硫化水素中毒の恐れがある建設業や製造業、清掃業など多くの現場など。
事故を防ぎ安全・衛生的に作業を行うための知識を身につける講習。

労働安全衛生法
該当する危険作業に関わる業務に就く労働者は、特別教育を修了している義務。

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