でんきメモ

低圧OVGR

製品例
光商工 LVG-7S(低圧電路用特注品)

用途
変圧器の二次側が非接地だった場合、低圧回路の地絡を低圧OVGRで保護する。

太陽光発電の変圧器に非接地方式が採用される理由(予想)

落雷時の過電流でパワーコンディショナーが故障するのを守るため。
一般にPCSの電力線はアース線を必要としない非接地方式を採用している。
Tr~PCSまでの回路の地絡は低圧OVGRで検出する。

変圧器の混触防止板

混触防止板を使用する理由
・低圧電路に接地工事をすることで不都合を生じる場合
・300Vを超える低圧電路に中性点が取れない場合

高圧巻線と低圧巻線との間に金属製の板を設ける。
混触防止板には専用接地端子が必要となる。

内線規定(JEAC 1350-12)
同じ個所に2種類以上の接地工事を施す場合、接地抵抗の低い方の接地工事で兼用できる。
混触防止板とトランス外箱を共用接地でもとくに不都合がない。
なので混触防止板の接地は変圧器の外箱の接地端子と兼用する。
A種、B種、どちらかの低い接地抵抗で接地工事を行う。

混触防止板は静電的なシールドの効果がある。
高圧側より侵入するサージ電圧を小さくする効果がある。
シールド変圧器として使用される場合もある。

低圧OVGRの試験例

低圧OVGRのZPCは、低圧MCCB2次側に配置される。
MCCBをOFF状態で試験しないと電圧が低圧電路に印加されTrで逆昇圧の危険がある。

低圧OVGRと試験端子台の配置例



試験端子、U、V、Wの上流にあるMCCBをOFF。
試験端子、U、V、Wを3相短絡させ、どれか1つに試験機側の電圧配線(V)を接続。
試験端子のEに、試験機側の零相電圧配線(E)を接続。

低圧OVGRの零相蓄電器(ZPC-2C)

低圧OVGRはコンパクトにまとまった端子台(ZPC-2C)
零相電圧を検出するコンデンサ。
定格電圧:440V/√3
AC440V 以下の電路電圧でご使用可能。

配線
ZPC-2C(Y1)⇒LVG-7S(Y1)
ZPC-2C(Y2)⇒LVG-7S(Y2)※接地
ZPC-2C(U・V・W)⇒低圧電路MCCB2次側(R・S・T)

低圧OVGR試験時の動作電圧判定基準

保護対象の電路電圧により、基準値、下限値、上限値が異なる(取扱説明書参照)
420V、380V、300V、210Vなど、低圧電路には何パターンかある。
太陽光パワコンの種類により出力電圧に違いがあるから?

低圧OVGR動作しパワコン停止、どうする?

調査
・低圧OVGR動作⇒パワコン停止⇒パワコン~トランス間の絶縁測定
・絶縁異常なし⇒パワコン内部で地絡発生した可能性あり
・OVGRの単体試験実施⇒継電器本体が故障していないか調べる

対処
・低圧OVGRの電源をOFFにして不動作状態にしてからパワコン復帰?
・原因が解明できるまでパワコン停止状態にしておく?
考察
・雨や湿度の高い時だけPCS内部の絶縁が悪くなる場合がある。
・雨の朝に地絡発生⇒晴れた日に再起動したら復帰できる場合もある。
・晴れた日に再度OVGR動作したらメーカー連絡する。

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