でんきメモ

OVGRの目的と必要性

OVGRとは、高圧電路のケーブルや機器の絶縁劣化、電路と大地間が接触して起こる地絡事故を検出する保護装置。
太陽光発電設備では、電力系統側で地絡故障が発生した場合、故障した場所の探査や故障の除去作業をする作業員への感電を防止するため、PCS(パワーコンディショナー)を停止させる必要がある。

そのため、OVGRで地絡過電圧を監視し、高圧系統側での地絡を検知した場合、パワーコンディショナの発電を停止させる必要がある。

OVGRの原理

系統側の地絡は、電流ではなく電圧で監視する。
その理由は、系統事故時、発電設備設置者側から流出する地絡電流(充電電流Ic)は小さい。
地絡電流では不動作となる場合があるので、OVGR(Vo=零相電圧)により、地絡電圧を検出する。

零相電圧とは

系統地絡とOVGRの関係


■地絡事故1があった場合
DGR1動作⇒配変電所VCB開放⇒PCSからの電力供給も停止させる必要があるため需要家OVGR動作にて系統切離し。

■地絡事故2があった場合
DGR2動作⇒配変電所VCB開放⇒事故系統と健全系統は切り離され、PCSからの電力供給を停止させる必要はなく、需要家の零相電圧もなくなるのでOVGRは動作せず。

OVGRの整定値

・OVGRの動作時間は、配電変電所DGRの動作時間よりも長くして、健全系統の不要動作を防止する。
・電力会社からの指定で、多くは「1秒」に整定される事が多い。

OVGRが省略可能の条件


・PCSの出力容量が契約電力の5%以下
・PCSの出力容量が10kW以下

OVGRの単線結線図

OVGR 配線例


OVGRの制御電源、S1、S2に注意。継電器の定格制御電源がDC24Vとなっている。
OVGRの試験をする際、配線は電源側から低圧MCCB⇒S8TS⇒OVGRとなっていたら、MCCBをOFFにした状態で、MCCB2次側にAC110V印加させる。

OVGRのバックアップ電源(上図※1)

OVGRを太陽光発電用の地絡保護として使用する場合、OVGRの制御電源は、バックアップ電源またはUPSまたはバッテリーを使用することが義務付けられている(系統連系規定)



OVGR 内部回路図


系統遮断/復電検出出力

接点名:Ta1-Tc1
1aのラッチリレー。
系統電圧が有る場合はON(オープン)、無い場合はOFF(クローズ)になる。

地絡検出出力

接点名:Ta2-Tb2-Tc2、Ta3-Tb3-Tc3

■自動復帰設定時
接点は、零相電圧が動作値整定以上になるとON、復帰値以下になるとOFF。
動作表示は本体内に記憶され、復帰スイッチを操作するまで動作表示は点灯し続ける。

■手動復帰設定時
接点は、零相電圧が復帰値以下の状態で復帰スイッチを操作することでOFF。
制御電源が喪失しても接点は保持される。

低圧OVGR

低圧のOVGRというのも存在する。
変圧器の二次側が非接地だった場合、低圧回路の地絡を低圧OVGRで保護する。

低圧OVGRの試験例


低圧OVGRのZPCは、低圧MCCB2次側に配置される。
MCCBを切ってから試験しないと回路に電圧が印加され感電する危険がある。

低圧OVGRと試験端子台の配置例



試験端子、U、V、Wの上流MCCBを開放させておく。
試験端子、U、V、Wを短絡させ、どれか1つに試験機側の零相電圧配線を接続。
試験端子、Eに、試験機側の零相電圧配線(E)を接続。

低圧OVGRのZPD



低圧OVGR試験時の動作電圧判定基準

保護対象の電路電圧により、基準値、下限値、上限値が異なるので注意が必要。