でんきメモ

MCCB 配線用遮断機

MCCB = Molded Case Circuit Breaker
ノーヒューズブレーカーとも呼ばれる。
過電流遮断の一種で、回路内の電流が設定された値より高いことを感知すると回路を遮断する。

用途別の種類

1.安全ブレーカー
小型のブレーカーで家庭用の分電盤内、分岐ブレーカーによく使われる。

2.モーターブレーカー
モーターは回り始めが一番電力を消費するという特徴に合わせて、始動電流では動作しないように作られている。

3.単3中性線欠相保護付ブレ-カー
「単相3線式」は、一般家庭で一番普及している配線方式。
ただし、中性線(N相)が欠相すると、単相200Vの直列回路となり、負荷機器の抵抗による分圧で100Vを超える電圧が100V負荷機器に加わり、損傷・焼損するおそれがある。
なので、中性線が欠相したときの電圧の変化を検知し、瞬間的に電気を遮断できるというブレーカー。
家庭のみならず100V、200Vの異なる電圧の規格となっている機械を同時に使う際に用いられる。

4.協約型ブレーカー
JIS C 8370による協約寸法を持つブレーカー。
ブレーカーはメーカーによって外径寸法が異なるが、協約形ブレーカーは同一寸法となっている。

5.漏電遮断機(ELB)
地絡による感電を防止する目的で回路に設けられる。
ほとんどの製品で「過電流遮断機能」も付いている。
※消防用設備の一種である漏電火災警報機は、地絡事故による火災予防が目的であるため、動作も感度も異なるので、配線用の漏電遮断器とは別物である。

周囲温度上昇(40°以上)によるブレーカーの誤作動

ブレーカの定格電流は基準周囲温度 40℃で調整されている。
盤内は通常、周囲温度より10℃~20℃高くなる。


定格電流補正率
盤内温度が40℃を超える高温状態では、ブレーカの定格電流の低減率を考慮する必要がある。
JIS C 8480「キャビネット形分電盤」では安全に連続通電できる負荷電流を「ブレーカの定格電流の80%以下」と規定している。
例:主幹ブレーカの定格電流が100Aの場合、その分電盤の定格は80A。
周囲温度が40°以上の場合、定格電流補正率が加わり、ブレーカーの定格電流は下がる。

温度補正曲線
横軸:周囲温度(℃)
縦軸:動作時間変化率(%)
周囲温度が40°の時、動作時間変化率は100%
周囲温度が60°の時、動作時間変化率は約70%
周囲温度が高くなると、ブレーカーがより早く動作してしまう(誤作動の原因)


ブレーカーの事故と予防


ブレーカーに関する事故は「接続部の緩み」が原因であることが多い。
容量の小さい子ブレーカーと呼ばれるものは、銅線をそのまま挟み込むタイプ。
容量が大きくサイズも大きいブレーカーは丸端子をつけてネジで留めるタイプ。
どちらも圧着面積が狭い、圧着力が弱い等が原因で、抵抗が上がり、発熱する。

対策方法
・目視点検で焦げつきや色の変化が起きていないか確認
・ブレーカーの増し締め
・日常点検や月次点検での温度測定

MCCB接続部の配線の剥き方で悪い例・良い例

より線をMCCBに接続する場合、本来であれば棒端子で端子上げして接続することが望ましい。
ただ実際の現場では、細い撚り線をそのままMCCBに接続している現場も多くある。

①ひげが出ている⇒✕
②短すぎて不揃い⇒✕
③導線を折り曲げて厚みをもたせる⇒○

コールドスタート・ホットスタート

コールドスタートとは?
NFBに電流を負担していない(室温に冷却された)状態から通電を開始した場合の動作時間を表す。

ホットスタートとは?
遮断器にある程度の電流を負担している状態から所定の過負荷電流の通電を開始した場合の動作を表す。
動作時間はコールドスタートに比べて短くなる。

通常、過負荷は始動電流を対象として考えるので、コールドスタートの特性を検討すれば十分。
抵抗溶接機や間欠運転(機械の稼働と停止を繰り返す)などの場合は、遮断器が十分に冷却されていない状態から過負荷が起こるので、ホットスタートの動作特性が必要。

動作特性


検出リード線とは?


単3中性線欠相とは?
単相3線式電路で、何らかの事故で中性線が切断(欠相)すると100V回路に接続された機器に異常電圧(100Vを超える電圧)が加わり、機器が故障(焼損)することがある。

照明が急に明るくなったり暗くなったりする。
この場合、単3中性線欠相事故の可能性がある。

なぜブレーカーの検出リード線を外してはいけないのか?
検出リード線を外した状態でブレーカーを投入すると過電圧検出ができない。
ブレーカー2次側(負荷側)に繋がっている電気機器が過電圧により焼損する恐れがある。

単相三線式・中性線とは?
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