漏電ブレーカーとは?
漏電ブレーカーの英語表記ELB = Earth Leakage Breaker
ELCB = Earth Leakage Circuit Breaker
2種類の表現があるが、どちらも同じ「漏電ブレーカ」
漏電を検知するとブレーカーが落ちる。
人が復旧させなければならない。
感度電流と動作時間
グラフ:漏電引きはずし特性曲線横軸:地絡電流(定格感度電流に対する%)
縦軸:動作時間
定格不動作電流
地絡電流や漏洩電流があっても漏電トリップしない電流値のこと。
漏電遮断器(JIS C 8201-2-2)
定格漏電不動作電流I△noとして規定され、定格感度電流I△nの50%の値。
高速形の場合
地絡電流が100%:0.1sで動作
地絡電流が500%以上:0.04sで動作
漏電引きはずし特性の種類
・高速形・時延形
・反限時形
注意:逆接続しない
電源側と負荷側を逆に接続しないこと。電源側と負荷側を表示しているNVは、内部の電磁装置が短時間定格のため、電源側と負荷側を逆に接続すると、トリップしたのちにも電圧印加が継続して、電磁装置を焼損させる場合がある。
漏電遮断器のD種接地工事

漏電遮断器を動作させるためには、漏電電流を接地に流さなければならない。
接地があることで、漏電遮断器が正常に動作し、感電事故を未然に防ぐことができる。
漏電遮断器と接地、両方が健全であることで、初めて安全が保たれる。
ELBのD種接地はMCCBと共通にしてはならない
D種接地工事は、漏電遮断器で保護されている回路と、保護されていない回路を、同一系統にしてはならない。漏電遮断器で保護されていない回路にて漏電が発生すると、漏洩電流が接地線を伝わり、漏電遮断器で保護されていない回路すべての機器のフレームの電位を上昇させる。
この時、事故電流は漏電遮断器を経由しないため、漏洩状態が継続したまま遮断されることがない。

人体の接触点で地絡が起きた場合、負荷Bの接触電圧VEは、
VE = {RD/(RB + RD)}*電源電圧(200V)
RB=B種接地抵抗
RD=D種接地抵抗
ELCBとMCCBの接地を分ける理由
ELBとMCCBの接地が共用の場合・負荷Bに漏電発生⇒負荷Bのアースに電位が発生⇒同時に負荷Aの筐体にも電位発生⇒感電の危険
ELBとMCCBの接地を分けた場合
・負荷Bで漏電発生⇒負荷Aには電位発生せず(ただし他の負荷Bには電位が発生)
・負荷Aで漏電発生⇒ELB動作で開放