モールドジスコン 外観
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![MDS モールドジスコン イラスト](material/mds2.png)
![MDS モールドジスコン イラスト](material/mds1.png)
モールドジスコンとは?
電力側6600V高圧を需要設備に引き込む時に電力側キャビネット内の第三回路(お客様側回路)に取付ける。手動ハンドルにて挿入、引き抜くことで、電気回路を入切できる断路器。
モールドジスコン操作時は、下流のVCB等の遮断器や断路器DSは開放状態で操作を行う。
モールドジスコン 操作用工具(ハンドル)
ハンドルは、バネとフック型の穴で構成されている。 モールドジスコンにハンドルを押し込み、ハンドルフックがMDS先端の突起にひっかかり、ハンドルバネが戻ることで固定される。![](images/mds/2.jpg)
モールドジスコンのタイプ
モールドジスコンには「単極型」と「三極型」がある。1相ずつ開放・投入するタイプが「単極型」
3相いっぺんに開放・投入するタイプが「三極型」
モールドジスコン 投入・開放時の注意
↓これをハンドルを使って引き抜くことで断路する![](images/mds3.jpg)
落として割る
モールドジスコンを引き抜く際、ハンドルのロックからモールドジスコンが外れて落下。
モールドジスコンを割る、または欠けてしまう。
モールドジスコンの入切操作時には、高圧ゴム手袋を装着して行う。
屋外で雨に濡れた状態で操作した場合、体を通して足に地絡し感電する恐れ
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モールドジスコンが1相ずつ引き抜くタイプで、かつVCBやLBSを投入状態で変圧器まで受電状態で引き抜くと、引き抜いた瞬間に欠相状態となり、変圧器から異音が発生する。
なので、停電の際にはVCBやLBSは開放状態にしてから、モールドジスコンを引き抜く。
モールドジスコンの復電時の注意
注意VCBやLBSを入れる前に、GRの制御電源用MCCBをON状態にしておくこと。
VCBを投入した際、GR電源がOFFであると地絡が発生してもGRが動作せずVCBが開放されない。
復電手順
DS、LBS、VCBを開放状態にしておいてから、モールドジスコンを投入する。
まずモールドを3相すべて投入し、高圧の電圧計で電圧が来ていることを確認する。
続いてDSを投入する。
LBS or VCBを入れる。
モールドジスコン、VCB、GRの組み合わせによる波及事故
モールドジスコンから構内キュービクルVCBの間のケーブルで地絡が起きた場合、構内キュービクルVCBから見て電源側(モールドジスコン側)には、電力側の保護継電器しかないので、電力側の地絡継電器が動作して、遮断器が動作し、送電が停止される。もし最閉路されても、ケーブルでの地絡の原因は解消していないので、再度地絡を発生し、保護継電器動作、遮断器が遮断され、波及事故となる。
構内地絡事故は、高圧ケーブルの経年劣化によるものがほとんどらしいので、構内ケーブル地絡事故から波及事故への被害拡大を防止するためにも、UGS(地中線用負荷開閉器)への交換が推奨される。
高圧キャビネットの種類
二回路形(A1形)受電した高圧系統を、そのまま送電するスイッチ機能のみを持つタイプ
三回路形
隣接需要家に高圧電路を渡ることが可能なタイプ
高圧受電では隣接需要家への渡りが原則であり、通常は三回路形が選定される。
高圧キャビネット内部には、UGSやモールドジスコンなど需要家が必要とする断路器を設置し、電力会社との責任分界点は、断路器の一次側となる。