エアコンの配管
エアコンの配管の太さは、2分3分(にぶさんぶ)と2分4分(にぶよんぶ)の2種類がある。これは、メーカー、機種、容量によって配管の太さが決められている。
細い管は「液管」で、冷房時には冷媒(液体)は室外機から室内機へ向かう。
太い管は「ガス管」で、冷房時には冷媒(気体)は室内機から室外機へ向かう。
なぜ液管は細くて、ガス管は太いのか?その理由は?
冷媒の液体は密度が高いので体積が小さく、気体は密度が低いので体積が大きい。
なのでガス管(気体)の方を太くさせると冷媒の通過や抵抗などを考えると効率が良い。
エアコンのガス漏れ・ガス抜けの確認方法
エアコンを冷房にして15分ほど運転させる。調査する際の冷房運転は「強制冷房運転」にて行う(操作方法は取扱説明書を確認)
ガスが一定量減ると、冷房運転時に室外機配管接続部分や熱交換器に霜が発生する。
室外機から出てる細いパイプに、白い霜があるかどうかを確認する。
水分が付着していれば正常、もし霜がついていたらガス漏れの可能性がある。
なぜ配管に水滴か霜かでガス漏れがわかるのか?
室外機内の凝縮器から出て圧力を下げる部分で温度が下がる。
その部分は冷媒がすぐに気化して気体になり配管が冷える。
冷媒ガスの量が減ると室内機までたどり着かず、すぐに気化してしまう。
なので室外機を出てすぐの冷媒管で真っ白な霜がついてしまう。
室内機がエラーを出して止まるタイプもある。
また、機種によっては正常でも細いパイプに霜が付くものもある。
さらに、ガスがほとんど抜けてしまっている場合には霜すら発生しない。
なので、霜がついていないからガス漏れではない、という判断は正しくない。
エアコンがガス漏れをするとどうなる?
エアコンから出る風が常温になる。エアコンは冷媒ガスの働きで部屋の温度をコントロールする。
ガスが漏れた状態だと空気の温度調整ができない。
したがって、冬の暖房は冷たいまま、夏の冷房は暑いままとなる。
エアコンが急に効かなくなり常温の風しか出なくなった場合、ガス漏れを疑う。
室外機が爆発する原因とは?
冷媒管から冷媒ガスが徐々に漏れて吹き出した。真空である冷媒管に空気が徐々に入ってきた。
室外機のコンプレッサーに空気が入り、空気が圧縮され、爆発した。
壁内の隠蔽配管
冷媒管2本とドレンホース1本を、室内機から壁の中を通して室外機の高さ付近で外に出す。
隠蔽配管のメリット
外の壁側から見ると配管がついていないかのように見える。
隠蔽配管であれば、家の外観が損なわれない。
隠蔽配管のデメリット
露出配管であれば安くなるのに、隠蔽配管だと値段が高くなる場合がある。
作業が複雑になるため、電気屋によっては設置や修理を断られる場合もある。
配管のパイプ周りで結露が出来て、水滴によって壁内がカビや腐敗の原因となる。
ガス漏れ、水漏れの調査、改修工事も作業が大変になる。
配管漏れの時には壁を壊して工事しなければならない場合もある。
隠蔽配管だと、配管の溶接をしなければいけないときがある。
エアコンをつけてから10年以上たって、エアコンを交換する場合も手間。
中がカビていないか、腐っていないか、確認が必要。
もし隠蔽から露出に切り替えたい場合、壁の穴を塞ぐ必要がある。
その穴を使ってまた隠蔽配管にする場合も、作業をするのに非常に手間がかかる。
ドレンホースとは?役割
ドレンとは英語で「Drain」排出する、放水路、流す、はける、排水される、溝、という意味。
ゲーム「ファイナルファンタジー」にも「ドレイン」という黒魔法がある。
この「Drain」から来ているのか?相手のHPを吸収して自身のHPを回復させる魔法。
エアコンの室内機で空気が冷やされると、空気中に含むことのできる水蒸気の量が減る。
そして空気中に含むことができなくなった水蒸気は、水滴となる。
その水滴を室内機から外へ出すためにドレンホースが必要。
ドレンホースは室外機の近くにある。
ドレンホースからエアコン内部の水滴が外に出る。
ドレンホースが詰まると室内機から水漏れが発生してしまう。
ドレン詰まりの原因は内部に溜まったホコリ、虫、ゴミなど。