でんきメモ

三相 不足電圧継電器

オムロン「K2ZC-K2VU-N」
分散型電源対応系統連系用複合継電器
1台で3相の不足電圧を検出することができる。
3相各々の不足電圧検出をLED にて表示できる。

電源LED:正面左上に位置、端子(S1-S2)にDC24Vを印加すると緑色に点滅。
不足電圧検出LED:正面右上、R・S・Tの3つ。オレンジ色。整定電圧以下になると点灯?

動作表示LED
正面右下、赤色。
3相のいずれかが不足電圧となった状態で動作する3相のOR動作。
不足電圧状態が整定時間以上継続した場合に接点動作+LED点灯。
動作して赤色点灯した場合、復帰ボタンを押さないと点灯を維持?(接点は自動復帰)

三相UVRで電圧を監視する理由

電力系統側で短絡事故が起こると、受電端で各線間の電圧が低下する。
また、系統側停電時においても、電圧が下がる。

なので、受電端の電圧を監視することで、系統側事故を検出することができる。
そして、発電機を系統から解列させることができる。

2相短絡時にもUVRを動作させる必要がある。
そのためUVRは3相検出用でなければならない。

定格

定格電圧:AC110V
周波数:50/60Hz(共用)
電圧整定:60-65-70-75-80-85-90-95V
時間整定:0.1-0.2-0.3-0.4-0.5-0.6-0.7-0.8-0.9-1-2-4-6-8-10s
トリップ用リレー:1c(Xa,Xb,Xc)
警報用リレー:1a(a,a)
接点容量:取説によればトリップと警報で違いはないらしい

分散型電源とは?

電力供給の一形態
小規模な発電装置を消費地近くに分散配置して、電力の供給を行うもの。
コージェネレーションシステム(エネルギーの総合効率を高める)
太陽光や風力発電(自然エネルギーを利用したもの)

分散型電源のメリット

送電ロスが少ない
送電設備を縮減
災害時、電力が停止した場合でも、電源供給が期待
冗長性が増すことで抗堪性が高まる
コジェネレーションにおいて廃熱の利用が可能

分散型電源のデメリット

送電系統と配電系統での逆潮流への対応が必要
設備設計と日常的な制御が複雑
系統連系するため電力の品質が低下
設備に求められる余裕度が大きくなる
大規模発電設備よりも発電効率が低い
運転管理に手間がかかる
必要な設備投資の合計額が大きくなるおそれ
排煙処理などの確実性に疑問

3相UVR 試験方法

試験機と保護継電器の例
・コージェネレーション試験装置 CGRT(取説
・omron K2ZC-K2VU-N

電圧出力コード
P1、P2、P3

CGRTの3相電圧はV結線で出力されている。
P1-P2間⇒定格電圧AC110V入力
P2-P3間⇒定格電圧AC110V入力
P3-P1ツマミを回すことで位相角の調整を行う
P3-P1ツマミだけでは電圧は出力されない

試験方法と判定基準

■不足電圧動作試験
整定値の±5%
試験電圧を定格値から徐々に下げる。
継電器の各相毎の不足電圧検出表示 LED が点灯した時の電圧を読む。

■動作時間試験
整定値の±10%(最少誤差±50ms)
①3相電圧定格状態をつくる
②2相定格・1相だけ整定値の70%をつくる
①から②へ切り替えと同時にカウンタスタート、動作時間を計測

取説には定格110V⇒0%(0V)の動作時間は明記していなかった。
定格110V⇒0%(0V)の試験をするかどうかは用途による。先方から指定される場合もある。

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