零相電圧とは
三相交流回路の、中性点の対地電圧のこと。V0(ブイゼロ)とも呼ぶ。
三相交流回路の各相の電圧は、同じ大きさで120度ずつの位相差を持っている。
この各相の電圧の大きさや位相が不揃いになると、V0電圧が発生する。
三相回路において地絡事故が発生した場合、三相が不平衡になることで発生する。
零相電圧を検出する保護装置
・DGR(地絡方向継電器)
・OVGR(地絡過電圧継電器)
・RPR(逆電力継電器)
零相電圧のベクトル図と式
対称三相交流の場合、次の式が成立する。
① V0=(Ea+Eb+Ec)/3
② Ea+Eb+Ec=0(V)
③ V0=0(V)
※Ea、Eb、Ecは、各相の起電圧(対地電圧)のこと
完全一線地絡時の零相電圧が3810Vの理由
3相のうち1線が完全地絡した場合、地絡相の対地電圧 Va はゼロになる。Vaがゼロになるので、健全2相の対地電圧、Vb、Vcは健全時の線間電圧まで上昇する(3810V ✕ √3 = 6600V)
図より、Vb、Vcのベクトル和は(6600V × cos30°)× 2 = 11430V
地絡時の零相電圧は各相の起電圧(対地電圧)の和なので、V0 = 11430V / 3 = 3810V
UGSやPASのSOGの電圧整定値は5%
上位の電力会社の変電所と保護協調を取るため、電力会社から指定される。SOGの零相電圧の動作値は、5% = 190.5V にて動作する。
100% = 3810V
3810Vとは?
完全一線地絡時の零相電圧