でんきメモ

零相電圧検出装置 ZPD

零相電圧を検出する装置。
ZPDは英語で、Zero-Phase-sequence Potential Device(零相電圧検出装置)
ZVTや、メーカーによってはZPCなどと呼ばれることもある。
ZVT = Zero Phase Voltage Transforme

零相電圧検出用コンデンサ(がいし型)

零相電圧を得るため、コンデンサで各相ごとに1個ずつ設置できるように、3個に分割したもの。
キュービクル内のアングルのポスト碍子と同じように使用でき、省スペースにできる。

零相電圧変換器

継電器に適した零相電圧を得るための変換器。
1次側と2次側の間は絶縁されているので安全。
零相電圧変換器のY1,Y2と、地絡方向継電器のY1,Y2を接続する。
配線図で確認すると、E端子はA種接地、Y2はD種接地がされている。


短絡する端子を変更することにより、60Hzと50Hzを切り替えることができる。
50Hz用の短絡を設定した場合、T端子直下のコンデンサの下に、コンデンサが並列で1つ追加される形となる。

コンデンサを直列に接続すると電圧は静電容量に比例して分圧される。
コンデンサを並列に接続するとコンデンサの和が合成静電容量となり並列部を直列に変換した時のコンデンサ容量は増える。
するとリアクトルにかかる部分の電圧は上昇する。

ZPDの配線


電磁波(電波)ノイズなどの影響を受けることがあるため、2芯シールド線(0.75m㎡ 以上)を使用する。
また、電線の長さは極力短くなるようにする。

CVV-S ビニル絶縁ビニルシースケーブルとは?
・静電遮へいの必要がある制御用回路に使用される。
・銅テープの接地は、片端で行う。

ZPDの仕組みと試験時の電圧印加方法


C1 = ZPDのT端子(テスト端子)のコンデンサの容量
C2 = ZPDの検出用コンデンサの容量
C3 = U、V、Wの各コンデンサの容量

零相電圧は、U・V・W各相のコンデンサC3と、検出用コンデンサC2で分圧される。
検出用コンデンサC3にかかる電圧を、さらに変圧器で小さくしたものが「Y1-Y2」間に電圧として発生する。
Y1Y2で継電器用に降圧すると同時に、この変圧器で1次側と2次側が絶縁される。

コンデンサの分圧

コンデンサ静電容量の計算
コンデンサの直列と並列について

C3の1個あたりの静電容量 = 250pF
並列なので、C3、3個の合成容量 C3_All = 750pF

C2 = 0.15μF
V0 = 零相電圧

静電容量の計算

■静電容量の単位
ミリ mF 10^-3
マイクロ µF 10^-6
ナノ nF 10^-9
ピコ pF 10^-12

C3_All = 750pF = 750 * 10^-12
C2 = 0.15μF = 0.15 * 10^-6 = 150000 * 10^-12

C3_All:C2 = 1:200
V0:V2 = 200:1

1相完全地絡時の零相電圧=3810Vなので、
3810:V2 = 200:1
V2 = 19.05

Trの変圧比 = 20:1なので、
y1-y2間電圧 = 0.95V ≒ 1V

試験時の配線方法

1.ZPDのT端子とE端子に電圧を印加する。
2.ZPDにT端子がない場合、U・V・W(高圧母線1次側)をすべて短絡した側と、ZPDのE端子に電圧を印加する。

1の場合、本来の回路には電圧が印加されていないので、正確な測定とは言えない。
2の場合、正確な測定ではあるが、高圧回路に電圧を印加するので感電する恐れがあり、危険。

テスト端子Tと静電容量

ZPDボックスのテスト端子Tの先にあるコンデンサ「C1」の静電容量は750pF。
高圧のエポキシ樹脂「C1」は1個250pFなので、一次側三相一括にした場合と等価。

エポキシ樹脂がいし部分にあるT端子

テスト端子がボックスタイプではなくエポキシ樹脂がいし部分にあるタイプもある。
メーカーにもよるが、V0整定値が5%=190Vではなく、5%=190V × 3 = 570Vの場合もある。
ただし、T端子がエポキシ樹脂がいし部分にあっても、V0整定値が5%=190Vの場合もある。
この場合、T端子に印加できる電圧の上限が決められているので注意が必要。

さらにDGR試験にて最小動作電流試験や動作時間試験を行う際、V0印加電圧を整定値の150%に整定する事が多いが、メーカーによってはV0印加電圧を整定値の130%としている製品もある。

零相電圧検出装置(据え置き型・出力部一体型)

ボックス型ではなく高圧受電部と出力部が一体となった据え置き型
例:omron VOC-3S

メリット
高圧回路に実際に電圧を印加する事でしか試験を行えない仕組みなので、試験端子で行うよりも正確な試験が行える。

デメリット
高圧母線からZPDへの回路を切り離すためPCカットアウトなどの設置が必要。
床への据え置き型で、かつ高圧母線を床まで伸ばす必要があるためスペースが必要。
がいし型に比べて材料費、工数がかかり、割高。



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