でんきメモ

ケーブルシースの両端接地

両端接地をする理由・メリット
高圧ケーブルの長さが数キロメートルになると、静電容量の増加のため非接地端に全長に誘起した電圧が現れる。
それにより保守点検に危険な状態(50V以上)になる場合がある。
そのために両端接地を施すらしいが、デメリットもある。

両端接地の特徴(資料PDF
・しゃへい層の電位はほとんど0になる。
・しゃへい層に循環電流が流れるので、しゃへい層の回路損が生じる。
・3心ケーブルやCVTケーブルの場合、誘起電圧が相殺されて小さな値となり、単心ケーブルに比べてしゃへい層の回路損は小さくなる。

両端接地の注意点
・受電室に至るものでは、受電室側で接地を施すことが原則(片端接地)
・迷走電流を拾ってGR,DGRが不用意に動作する可能性がある。
・2点に電位差が生じた場合、ケーブルシールド層に電流が流れ、誤作動の可能性。
・さらに地絡電流が分流してしまうので、地絡電流の検出精度が低下。
・電流が通過してケーブルが焼損した例も。


上図は両端接地でkからlにアース線が通されているパターン。
2点に電位差が生じるとシールド層に電流が流れてしまう。
しかしその電流はZCTを往復するのでGR誤動作にはならない。


上図は両端接地でkからlにアース線が通されていないパターン。
2点に電位差が生じるとシールド層に電流が流れI0誤動作の可能性。

高圧ケーブルが長い場合の誘起電圧と電磁誘導

関連ページ

TOPに戻る