でんきメモ

DGR 地絡方向継電器 とは?

地絡方向継電器は英語で DGR = Directional Ground Relays。
GRは、高圧ケーブルや機器が絶縁劣化しアーク地絡や完全地絡を起こした場合、事故を検出して遮断器を遮断する。
ただしGRは需要家の内部で地絡事故が起こったのか、それとも外部で起こったのかを区別することが出来ない。
DGRは、需要家の内部で地絡が起こった時のみ作動するので、もらい事故をする危険がない。

整定値

以下を考慮して整定
①配電用変電所のDGRとの協調(感度協調・時間協調)
②構内フィーダーのDGRとの協調(時間協調)
③系統の残留分により不必要動作をしない整定値(零相電圧整定値)

零相電流:0.2A

零相電圧:5%
系統の残留分で継電器の零相電圧検出表示LEDが点灯する場合は、7.5%以上の整定

動作時間:0.2s
単回線および多回線のフィーダに使用時0.2秒が標準。
多回線の母線用では0.4s以上の場合もある。
配電用変電所DGRとの協調で最重要項目のため、電力会社との協議が必要。

動作位相
非接地系:遅れ30°
リアクトル接地系:遅れ60°
リアクトル接地系は系統により事故時の位相範囲が広がる。
リアクトル接地系は、四国電力管内と北陸電力管内の一部(※電力会社に問い合わせ)
人工地絡試験などで確認することもある。

DGRの原理

DGRは、零相電流と零相電圧の2つで、地絡電流量とその方向を判別する。

零相電流とは
R、S、Tの三相回路において、地絡事故が発生すると、三相のバランスが崩れる。
すると、零相変流器(ZCT)の中を通る電流に不平衡が生じ、ZCT二次側に接続されたDGRが零相変流を検出する。

零相電圧とは

DGR 地絡方向継電器の配線図

【例】光商工 LDG-71K

LDG-71⇒電圧トリップ
LDG-71K⇒電流トリップ

■LDG-71K 内部図


■LVG-7 内部図


DGR(GR)電流トリップの注意点

継電器試験で遮断器を動作させるには引き外し用電源が必要。
s1s2にAC100Vを印加し、DGR継電器が動作することで、S1⇒T1⇒TC⇒T2⇒S2回路に電流が流れトリップする。
その際、s1s2の電源元はどこか、電力側に印加することはないか、別回路へ分岐はないか、細心の注意が必要。

■試験準備
電流:試験機 Kt、Lt ⇒ ZCT Kt、Lt
電圧:試験機 V、E ⇒ ZPC-9B T、E
信号:試験機 T1、T2 ⇒ a1、c1
補助電源:試験機 P1、P2 ⇒ LDG-71KとLVG-7 P1、P2

■注意点
LDG-71KとLVG-7の補助電源元を確認し、逆起電に注意する。
もしLDG-71Kが自動/手動復帰切替が「手動」の状態で、方向地絡で動作すると、
トリップ電源がT1-T2を介してVCBトリップコイルに印加され続けることになる。

試験の際は自動復帰にしたほうが安全か?
もしくは継電器が動作したら補助電源をすぐ切れば問題ないか?
連動試験を行うには、LDG-71K、LVG-7、引き外し用の、3つの電源が必要。
配線元が1つのブレーカーだった場合、1箇所に接続するだけで終了する。
■DGR(電流引き外し)の外部配線図


配電線残留電圧の影響

単相回路の接続や高圧自動電圧昇圧器(SVR)の設置で配電線の対地静電容量や対地電圧が不平衡であれば、 地絡事故がなくても零相電圧として常時発生する。これを「残留電圧」と呼ぶ。

PAS投入状態(受電状態)でSOG制御装置に試験電圧を加えると、残留電圧と試験電圧のベクトル和がSOG制御装置に印加されるので、残留電圧が大きいと正常値で動作しない時がある。

この時は、開閉器を開放して残留電圧の影響をなくし、試験を実施する。

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