雷撃によるDGRの不必要動作
雷電流は高周波交流として高圧電路から大地に流れる。地絡電流と区別することは困難で、DGR保護継電器が不必要動作をすることもある。
直撃でなく誘導雷の場合、構内に侵入しても特に被害はない場合が多い。
その場合、DGRだけが不要動作をした状態となるが、これは保護継電器の故障ではない。
※GRはDGRに比べてV0要素がなく方向も関係ないので地絡電流のみで動作してしまう。
継電器試験の注意
継電器の端子(Z1,Z2,Y1,Y2,M,N)に直接試験電圧・試験電流を印加してはいけない。直接試験電圧・試験電流がこれらの端子に加わると継電器が焼損する可能性。
配電線残留電圧の影響
単相回路の接続や高圧自動電圧昇圧器(SVR)の設置で配電線の対地静電容量や対地電圧が不平衡であれば、 地絡事故がなくても零相電圧として常時発生する。これを「残留電圧」と呼ぶ。PAS投入状態(受電状態)でSOG制御装置に試験電圧を加えると、残留電圧と試験電圧のベクトル和がSOG制御装置に印加されるので、残留電圧が大きいと正常値で動作しない時がある。
この時は、開閉器を開放して残留電圧の影響をなくし、試験を実施する。
GR不必要動作の要因
- ケーブル接地工事不適切
- 誘導障害
- 電波障害
- 構外地絡による構内対地
- 静電容量に基づく零相電流の検出
- 雷サージ
- 最小動作電流減少
- 慣性特性不良
- その他(GR 絶縁不良等)