モールド変圧器とは?
変圧器の巻線をエポキシ樹脂で含浸(がんしん)モールドさせた変圧器。絶縁油を使用しないため、発火の恐れがない。
温度上昇に対する安全性が高い。
耐湿性の優れた樹脂で覆われ、耐湿性が良く、塵埃の付着しにくい。
油入変圧器と同じサイズの場合、より大きな容量を選定することが可能。
病院、ビル、地下、公共施設など不燃化を求められる場所に設置される。
油入変圧器と比較すると、騒音や振動が大きい。
油入変圧器は通電時の振動や騒音が絶縁油経由となるため吸収される。
油入変圧器は冷却に絶縁油に浸されているので、温度上昇が緩やか。
瞬間的な大電流であれば温度上昇が制限される。
モールド変圧器は空冷なので大電流による発熱と温度上昇が速い。
過負荷による耐久性は低い。
モールド変圧器は結露や埃で表面汚損による絶縁劣化が懸念されるので室内が原則。
絶縁油が使用されていないので絶縁油の試験、交換、メンテナンスが不要
⇒絶縁油劣化試験とは?
変圧器の外側に触れて感電?
油入変圧器コイルと外箱との間に絶縁油が入っていて外箱はA種接地されており電位は0になっている。
モールド変圧器

絶縁を空気に頼っている。
運転中のモールド変圧器のコイル表面は、樹脂層が帯電している。
それらは巻線導体とほぼ同じ電位になっている。
なので人が触れると感電するおそれがある。
モールド樹脂層表面の電位V1を求める式
V1 = V0 × C1 ÷(C1 + C2)
V0:巻線導体電位
C1:巻線導体とモールド樹脂層表面の等価静電容量
C2:モールド樹脂層表面と大地間の等価静電容量
トップランナー制度とは?
国は、日本全体でのエネルギー消費量が多い等の機器を「特定エネルギー消費機器」として指定。その機器の効率について、目標となる基準値と、それを達成する年度を定めている。
基準値は、市場で最も効率が優れた製品の「トップランナー」の効率をベースとしている。
そこに今後の技術開発による効率向上分を加えて基準値としている。