でんきメモ

スコットトランスとは?

外観

配置図

三相三線210Vの動力回路を1Φ2W、1Φ3W等の電灯回路に変換できる。
スコットトランスの二次電圧は、位相が90度異なった、2つの単相回路となる。
商用受電時でも、停電時の非常用発電機からの受電でも、両方とも1Φ3Wの電灯回路に給電可能。

2つの単相負荷が等しければ、一次側は平衡三相電流となる。
電源側の三相発電機に悪影響を与えず、ビル・工場などの非常用電源として使用することができる。

2次側結線
・単二専用:1Φ2w 105V ✕ 2(u-ou,ov-v)
・単三専用:1Φ3w 105-105-210V ✕ 2(u1-u2-ou,ov-v2-v1)
・単二単三共用:1Φ3w 105-105-210V ✕ 2(u1-u2-ou1-ou2,ov2-ov1-v2-v1)

標準容量
10、20、30、50、75とあるが20~30kVAが一番多い。

■スコットトランス1次側(1台目)
T変圧器・T座トランス
単相変圧器2台のうち1台から巻線中央50%位置からタップを出す

■スコットトランス1次側(2台目)
M変圧器・M座トランス
単相変圧器2台のうち1台から一次巻線√3/2=86.6%位置からタップを出す

スコットトランスの接地

スコットトランス2次側にはB種接地が必要。
二次側電路の接地を必要とする場合は、u2とv2を接地する。

B種接地は、一次側が高圧電路又は特別高圧電路の際に必要。
STの場合、一次側が低圧電路なので中性線には、電技・解釈の第19条による接地工事が必要。

第19条【保安上又は機能上必要な場合における電路の接地】
漏電遮断器を設置する場合などに使う。
最大値は500Ωで、D種接地工事で問題ないらしい。

なのでスコットトランスの2次側はB種接地がされていなくても問題ない。
D種接地がされている場合、または接地されていない場合もある。

スコットトランスの接地に関する不具合
中性線の接地がとられていなかったため、2次側単相3線100V・200Vのはずが、電圧異常を起こした。
R相が120V、T相が80Vとなっていた。
中性点の接地をしたところ、不具合が解消した。

スコットトランス 負荷容量

50kVAのスコット変圧器の場合、負荷は何kVAまでとれるか?
負荷を2分割(1Φ2W x 2)または4分割(1Φ3W x 2)で、全体で50kVAの容量をとることができる。

スコットトランスの不均衡

スコット結線変圧器の二次側の2つの出力端子は、それぞれ単独の単相負荷A・Bを接続する必要がある。
スコット結線の二次側の2つの出力端子を並列接続(1回路にまとめる)すると、変圧器が焼損する。
スコット結線変圧器の一次側(三相側)を平衡させる場合、単相負荷容量 A = B とする。
A = B でなくても変圧器に影響はないが、1次三相側が不平衡電流となる。

三相から単相を取りたい時、三相の1相だけから取った場合、三相のバランスが崩れてしまう。
スコットトランスで、2次側の2回路で同じ容量の負荷をとり、1次の3相バランスをとる。
2次側のM座・T座電流のバランスが崩れると、1次側のR-S-Tの三相交流電流のバランスが崩れる。
三相交流電圧不平衡になると電流不平衡、温度上昇増加、電力効率低下、振動や騒音の増加など。

参考資料
株式会社ダイヘン スコット結線変圧器とは
三相交流から単相交流への変換 三相平衡・三相不平衡

関連ページ

TOPに戻る