アースフックの取り外し忘れで復電し短絡事故⇒波及事故

アースフックを断路器1次側に取り付けたまま復電したので短絡電流が発生。
短絡電流によりアースフックと断路器1次側が溶着した。
PASやUGSのSO動作が正常に機能すれば、PAS開放状態により、波及事故は防げる。
PASやUGSのSO動作が正常に機能しなければ、配電用変電所の再閉路により再び短絡事故を起こし、配電用変電所のOCRが働き、波及事故に至る。
再送電までの短い時間でPASやUGSを手動にて開放することができれば、波及事故は防げる。
PAS投入直後、キュービクル内で破裂音、煙が上がった、無電圧だったなどの異常が見れらた場合、すぐにPAS開放。
PASやUGSがVT内蔵タイプではなかった場合
DS短絡状態により電灯トランス2次側には電源供給されないため、PASやUGSは無保護状態。よってVT内蔵タイプでない場合、同じような事故を起こした場合、SO動作しないので、波及事故に至る。
この場合でも、再送電までの短い時間でPASやUGSを手動にて開放することができれば、波及事故は防げる。
アースフックに関する波及事故例
電気設備の交換工事を伴う停電点検において、主任技術者は短絡接地器具を取り付けなかった。そのかわり、工事会社が工事会社の判断において、短絡接地器具を取り付けた。
主任技術者の年次点検は終了したが、工事はまだ終了していない状態であった。
主任技術者は、工事会社の進捗を確認しないまま、PASを投入したため、波及事故となった。
事故に至った原因を予想
- 普段の停電点検で、短絡接地器具、表示札の取付をつけていない(習慣化されていない)
- 普段の停電点検で、チェックリストに基づく行動をしていない。
- 工事会社との打ち合わせが不十分。
アースフック取り外し忘れを防ぐ方法
- 普段の停電点検から、短絡接地器具・表示札の取付を取り付ける。
- チェックリストに基づく行動をする。
- 設置者・工事会社と入念な打ち合わせを行う。
- PASやVCBの操作は最低2人で行う(操作者・監督者のダブルチェック)
- 復電の前に、DS投入状態で、受電設備一括で絶縁抵抗測定を行う(接地されていれば絶縁が0)
事故を振り返る
工事会社が主任技術者に無断でアースフックを取り付けていた場合、それは予定外作業であり、危険。しかし主任技術者が工事会社に連絡なしで復電した場合、アースフックがなければ、感電死傷事故の可能性。
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