LBSの引き外し用コイル焼損事故
LBS+GRの配線図
LBSの引き外しコイルが焼損する条件
・停電点検中、試験器から補助電源AC110Vを印加している。
・LBSに補助スイッチ(リミットスイッチ)がついていない。
・手動復帰タイプの地絡継電器で動作後の接点が閉じたまま。
2変送りLBS+GRでトリップコイルが焼損する条件①
- 地絡継電器の復帰方式が「手動」となっている状態で地絡継電器が動作
- LBSトリップコイルに電圧が印加される
- LBSが開路されたが補助スイッチがないのでトリップコイルに電圧が印加され続ける
- LBS引き外し用コイルが焼損する
2変送りLBS+GRでトリップコイルが焼損する条件②
・2変送りLBS+GR・補助電源は主変から供給
・LBS補助スイッチなし
・GRが手動復帰
焼損の流れ
・2変で地絡発生
・GR動作でTCに電圧印加⇒LBS開放
・GR手動復帰なので接点が閉路で維持
・LBS補助スイッチなしなのでTCに電圧印加状態が維持
・TCが焼損
事故が起きる可能性が高い場所
①モールドジスコン ⇒ LBS + GR(地絡継電器)の組み合わせ②サブ変送りのLBS + GR(地絡継電器)の組み合わせ
仮にトリップコイルが焼損しても、短絡事故が起こればLBSのPFが溶断するはず。
ただ地絡事故の場合、LBSが開放されなければ最閉路で再び地絡発生⇒波及事故に繋がる。
対策方法
①LBSに補助スイッチ(リミットスイッチ)を付ける②地絡継電器の復帰方式を「手動」から「自動」に切り替える
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