でんきメモ

単相三線式の中性線欠相

単相3線式電路で、中性線が切断(欠相)すると100V回路に接続された機器に100Vを超える異常電圧が加わり、機器が焼損することがある。

照明が急に明るくなったり暗くなったりする場合、中性線欠相事故の可能性。

なぜブレーカーの検出リード線を外してはいけないのか?
検出リード線を外した状態でブレーカーを投入すると過電圧検出ができない。
ブレーカー2次側(負荷側)に繋がっている電気機器が過電圧により焼損する恐れがある。
照明器具に過電圧が印加されると器具本体の基盤が焼けて壊れる。

なぜ中性線の欠相が起こるのか?主な原因とは?
・単相三線式ブレーカーの端子部の緩み
・実際のニュートラル端子ゆるみによる照明器具の事故例⇒twitter投稿

端子の緩みに気がつく方法
・定期的な目視点検
・ドライバーによる増し締め確認
・放射温度計でMCCB接続端子部分の温度を測定する

中性線欠相による事故

単相三線式のうち、N(白相)が断線、欠相することにより、L1~N、N~L2間で使用されていた100V負荷に対して、200Vの電圧が直列で印加される。
すると、負荷機器の抵抗による分圧で、片方の負荷に100Vを超過する電圧が加わり、損傷・焼損する可能性がある。

L1-N 100V
250Ω ✕ 2(並列)= 合成抵抗 125Ωv

L2-N 100V
50Ω ✕ 1

L1-L2 200V
20Ω ✕ 1

上記条件で中性線欠相になると?
L1-Nの電圧 = 200V ✕ (50 / 175) ≒ 57V
L2-Nの電圧 = 200V ✕ (125 / 175) ≒ 143V

100V定格の負荷に100V以下の電圧が加わると?
電圧が低い場合、電圧不足のため電流が流れず負荷は動かない。
電圧が高い場合、電流が流れすぎて、機器の発熱、焼損に繋がる。

中性線欠相保護付漏電ブレーカ

中性線欠相で135V以上の過電圧が発生した場合、0.5秒以内にブレーカーがトリップ。
漏電または過電圧で動作した場合、ボタンが突出する。
またハンドルがONとOFFの中間で止まるタイプもある。

疑問

一般家庭の電力メーター2次側の1相を引き抜いてしまった場合、宅内の分電盤のブレーカーの動作は?

予想
白相の場合
中性線欠相保護があればブレーカー開放。
なければ負荷の一部に100V以上の電圧がかかり故障。

黒相の場合
100V負荷の一部と200V負荷が使用できず。

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