間欠地絡
地絡の一種で、一貫して発生するのではなく、一時的に発生したり発生しなかったりする、不定期な地絡- 地絡電流が連続的ではなく断続的に流れる。
- 放電(アーク)による一時的な接地が多い。
- 地絡が一時的に自然消滅するため、検出や場所特定が難しい。
- 時間・天候・風などの環境条件で発生頻度が変わる場合もある。
原因
- 木が電線に触れたり鳥などの動物が電線に接触したりすることで
- 経年劣化で絶縁体が損なわれて
- 雷撃で碍子が破損したり電線が損傷したりすることで
- ほこり、塩分(海岸地帯など)、工場のばい煙などが電線・碍子に付着し、湿気を含むことで
- 気温差で電力設備内部(開閉器・ケーブル端末など)に結露が発生することで
- ケーブルなどの微細な傷から雨水の侵入や湿気で一時的な絶縁低下で
- 地絡時にできた放電(アーク)が自然消滅したり再発生したりすることで
- 鳥の巣材(枝、針金など)が雨天時に導電性が高くなり触れることで
地絡継電器の誤作動
間欠地絡により誤作動する地絡継電器が存在あるらしい。間欠地絡はしばしばアーク放電を伴い、瞬間的に大きな地絡電流が流れることがある。
これを検出して、動作時間設定より早く「即動作」してしまう場合がある。
地絡検出感度(動作電流設定値)が低すぎたり、動作時間が短すぎると、
軽微な一時地絡でも必要以上に敏感に動作してしまうことがある。
具体例
- 雨や霧の日、汚損碍子で間欠地絡が発生 → 地絡継電器が一時的にトリップ。
- 樹木が風で揺れて電線に接触 → 数秒間だけ地絡電流が流れて継電器動作。
- 雷雨後に碍子の微細破損 → 微小アーク地絡 → 地絡継電器が数回警報発報。