でんきメモ

電圧降下とは?

「ドロップ」とも呼ばれる。
電線に電流を流すと、電線やケーブルの電気抵抗により発熱し、エネルギーが失われる。
電源からの電圧(電気を流す能力)が、途中の配線で余計なエネルギーに消費される。
すると、電源の電圧に比べて、コンセントから取れる電圧は、低くなる。
電源の先にある末端のコンセントや負荷は、失われたエネルギー分の電圧が下がった状態となる。
これが電圧降下が発生する理由である。

電圧降下が起こる主な原因

①電線の抵抗
・電線が細い(抵抗が高くなる)
・電線が長い(抵抗が高くなる)
・使用電流が大きい(消費電力 = I^2 × R)

②変圧器のインピーダンス電圧
変圧器に定格電流を流した時、巻線のインピーダンス(交流抵抗および漏れリアクタンス)による電圧降下。

巻線インピーダンス
・交流抵抗分⇒抵抗電圧
・漏れリクタンス分⇒リアクタンス電圧

インピーダンス電圧が大きい⇒電圧変動率が大きい
インピーダンス電圧が小さい⇒変圧器負荷側回路の短絡電流が大きい

電圧降下の式

単相2線式
ΔV = 2I(Rcosθ + jXsinθ)

三相3線式
ΔV = √3I(Rcosθ + jXsinθ)

R=抵抗
X=コイル
j=虚数を表す記号
cosθ=力率

抵抗Rは電圧と同位相。
コイルXは自身が持つ逆起電力により電圧より位相がπ/2遅れる。

電圧フリッカによる電圧降下

電圧フリッカ(瞬時電圧低下)とは?

電圧降下の危険性やデメリット

電圧降下が生じると、本来必要な電圧が不足する。
すると、定格よりも低い電圧で負荷に電源を供給することになる。
例えばパソコンなどの電子機器の場合、電源が維持できなくなり、突然再起動を起こす。
蛍光灯であれば、寿命や光束が低下したりする可能性がある。

電圧降下の計算

e = 各端子間の電圧降下(V)
S = 電線の導体断面積(mm^2)
L = 電線の長さ(m)
I = 電流(A)

単相2線式の電圧降下
e =(35.6 × L × I)÷(1000 × S)

長さ20m、電流20Aの電圧降下を計算
・太さ3.5[mm^2] = 4.06[V]
・太さ2.0[mm^2] = 7.12[V]
・太さ1.25[mm^2] = 11.39[V]

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