電気管理技術者の備忘録

逆電力継電器 RPRとは?原理、目的、試験方法、整定値、太陽光や発電機への設置条件

逆電力継電器 RPRとは?

系統側で短絡事故や断線が発生すると、発電機が単独運転状態になる。
すると発電機の電力が系統側に流出してしまう。
受電端にて逆潮流を検出して発電機を系統から解列する。

逆潮流なし
自家消費型の太陽光発電設備のこと。
太陽光で発電した電気を電力会社に売電しない形式。
工場などで自家消費して、電力会社から購入する電気量を減らす。
太陽光発電で「逆潮流なし」で契約する場合にはRPR 逆電力継電器の設置が必要(省略条件あり)

逆潮流あり
電力会社と買取契約をしている場合の契約。
この場合、RPRの設置は不要。

RPRが省略できる条件
太陽光発電設備容量が契約電力の5%程度以下の場合。
パワコンの単独運転検出機能で単独運転を確実に検出出来る場合、OVGRとRPRの省略が可能。
⇒参考資料「内外電機 PDF」

RPR 配線図

例:三菱CRV1-A01

RPR ブロック図

例:三菱CRV1-A01
本体制御電源⇒01-03(本体に明記)
RPRの動作接点⇒13-14
RPRの電圧要素⇒17-18
RPRの電流要素⇒19-20

RPR 整定値 計算方法

系統連系保護では発電機単機容量の10%前後の逆電力を検出することが多い。

動作時間整定
・発電機を並列投入した際の電力動揺(パワースィング)でRPRが不必要動作しない時間。
・系統側停電後、逆潮流があり充電による危険性を考えた場合は1秒以下が望まれる。

■初期条件
V = 一次電圧 = 6600V
I = CT一次側定格電流 = 100A
P = 発電機容量 = 500kw
Pr = 検出逆電力
逆電力整定値 = 10%

■計算式
Pr = P * 10%
= 500 * 10^3 * 0.1
= 50 * 10^3[w]

Pr = √3 * V * I * TAP(%)(代入)
50 * 10^ = √3 * 6600 * 100 * TAP(%)
TAP(%) = 4.4(%)

したがって、整定値はTAP = 4(%)に設定する。

P0 = 動作逆電力
P0 = √3 * V * I * TAP(%) * 0.95
TAPに4%代入すると、P0 = 43.4 * 10^3[w]
(※RPRの動作電力値は、整定値の95%らしい)

低圧側(RPR継電器入力側)の電力P0は、
P0 = √3 * V * I * TAP(%) * 0.95
= √3 * 110 * 5 * 0.04 * 0.95
= 36.2[w]

RPRの試験を行うとき、入力電圧を110V一定とすると、電流を変化させた場合、
動作電流I = 5[A] * 0.04 * 0.95 = 190mAでRPRが動作する。

RPR試験方法

電流要素
CTTを切り分けた上で2次側より試験電流を流す

電圧要素
VTTを切り分けた上で2次側より電圧を印加する。ただしVTへの逆昇圧には要注意。

制御電源
DC24Vの場合、AC110V⇒ブロック電源⇒DC24Vに変換され供給されている。
なので大元のAV110Vを探しそこから供給する方法が間違いない。

信号接点
本体に直接、警報用パワーリレーのコイル部、パワコンの信号線へと繋がる盤の端子台どれか。

RPRの制御電源

連系用保護継電器は、電源の供給信頼性を確保するため、専用の直流回路で供給する。
仮にVTの2次側から制御電源をとった場合、系統側の短絡事故や断線した際に、電源が供給されなくなってしまう。
OVGRのバックアップ電源(ブロック電源)

RPRの誤動作

構内の変圧器を無負荷で投入すると、過渡的な大きな励磁突入電流により、電流位相が極端に遅れ、逆電力として検出してしまう場合がある。
なので励磁突入電流の影響が想定される場合には、RPRを0.5秒以上の時間整定にして、誤動作を避ける必要がある。
また、正常時でも電流は流れている為、継電器の配線の向きを反対に接続してしまうと、逆潮流と判断される場合がある。

RPR 単相用

単相用RPRは、単相PCSの逆潮防止のため、単相トランスの直下に設置する。
継電器の接点出力を使って、単相PCSの発電を停止させる。

ゲートブロック GB
PCSを半導体スイッチで系統から切り離す(解列する)こと。

解列(かいれつ)
太陽光PCSの系統連系リレーをオフしている状態を指す。
電力会社の、発電・変電・送電・配電設備に接続される系統から、物理的に切り離された状態のこと。

注意点

RPR専用のCT、VTを、既設のものとは別に増設する場合がある。
RPR専用CT、VTを利用している場合、既存のCTT、VTTは利用できないことがある。
その際はRPR継電器本体に直接電流・電圧を入力し試験を行う。

休日に起こる逆潮流とPCS停止

逆潮流は、発電電力が消費電力を上回り電力会社に流れること。
電力会社との契約上、逆潮流が許可されない場合、逆電力継電器の設置が義務付けられる。
これは、逆潮流発生時、PCSを停止して、発電を強制停止させる機能を持つ。
工場の消費電力に対して太陽光発電システム容量が大きい場合、頻繁にPCSが停止する。
逆潮流を防止するには、工場での最小消費電力に合わせ、パネル設置容量を制限する必要がある。

■自家消費型太陽光がついた工場 自家消費型の太陽光発電設備がある工場は、通常、電力は自社で消費され系統側へ流れることはない。
しかし祝日や連休で自社の電力消費量が減ると、発電した電力が系統へ流れ込む逆潮流が発生。
この逆潮流を防ぐためにRPRを設置。
しかし逆潮流が発生してRPRが動作するとPCSが停止して発電がストップ。
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