でんきメモ

逆電力継電器 RPRとは?

系統側で短絡事故や断線遮断が発生した際、発電機が単独運転状態になり、発電機の電力が系統側に流出する。
受電端でこれを検出して、発電機を系統から解列するために必要。

また、太陽光発電設備などで系統連系している電路に対し、逆潮流なしで契約する場合にも使用する。
逆潮流なしの場合、PCSからの電力は、需要家の負荷に電力を供給する目的で使用する。
電力会社と買取契約をしている場合には、逆潮流ありの契約となるので、RPRは不要。

自家消費型太陽光発電とは?

太陽光で発電した電気を電力会社に売電せず、工場などで自家消費し、購入する電気を減らす。

逆潮流問題とは?

逆潮流は、発電電力が消費電力を上回り電力会社に流れること。
電力会社との契約上、逆潮流が許可されない場合、逆電力継電器の設置が義務付けられる。
これは、逆潮流発生時、PCSを停止して、発電を強制停止させる機能を持つ。
工場の消費電力に対し、太陽光発電システム容量が大きい場合、頻繁に発電が停止することになる。
なので逆潮流を防止するには、工場での最小消費電力に合わせ、パネル設置容量を制限する必要がある。

自家消費型太陽光がついた工場

例えば自家消費型の太陽光発電設備を抱えた工場などでは、通常時、電力は自社内で消費され「系統」側へ流れることはないが、 祝祭日や連休等で自社で電力をほとんど消費しない状態となると、使われない電力が系統へ流れ込む「逆潮流」が起こる。

これを防ぐためにRPRを設置するが、逆潮流が発生して逆電力継電器(RPR)が動作すると、パワーコンディショナーが停止し、発電がストップする。

RPR 表面・裏面(端子)


RPR 単線結線図


RPR 整定値

逆電力整定値
系統連系保護では、発電機単機容量の10%前後の逆電力を検出することが多い。

動作時間整定
系統側停電後、逆潮流があり充電による危険性を考えた場合には、1秒以下が望まれる。

RPR 整定値 計算方法

※上図 単線結線図の例で計算

■初期条件
V = 一次電圧 = 6600V
I = CT一次側定格電流 = 100A
P = 発電機容量 = 500kw
Pr = 検出逆電力
逆電力整定値 = 10%

■計算式
Pr = P * 10%
= 500 * 10^3 * 0.1
= 50 * 10^3[w]

Pr = √3 * V * I * TAP(%)(代入)
50 * 10^ = √3 * 6600 * 100 * TAP(%)
TAP(%) = 4.4(%)

したがって、整定値はTAP = 4(%)に設定する。

P0 = 動作逆電力
P0 = √3 * V * I * TAP(%) * 0.95
TAPに4%代入すると、P0 = 43.4 * 10^3[w]
(※RPRの動作電力値は、整定値の95%らしい)

低圧側(RPR継電器入力側)の電力P0は、
P0 = √3 * V * I * TAP(%) * 0.95
= √3 * 110 * 5 * 0.04 * 0.95
= 36.2[w]

RPRの試験を行うとき、入力電圧を110V一定とすると、電流を変化させた場合、
動作電流I = 5[A] * 0.04 * 0.95 = 190mAでRPRが動作する。

RPR ブロック図

入力電圧
内部抵抗器で降圧⇒フィルタ回路で高周波と高調波成分を除去⇒基本波を取出⇒A/D変換器でデジタル信号に変換

入力電流
継電器内部の検出用変流器で電圧変換⇒その後は入力電圧と同じ。

入力電流と入力電圧をデジタル変換することで、デジタル化された電力データができる。
これをマイクロコンピュータで「動作電力整定値」と比較をして、値以上の場合、タイマ処理を行う。
ここで「整定時間」以上が経過すると、出力リレーを動作して、動作表示を点灯させる。

RPRの制御電源

連系用保護継電器への制御電源は、電源の供給信頼性を確保するため、専用の直流回路で供給しなくてはならない。

もし仮に、計器用変成器VTの2次側から制御電源をとってしまうと、系統側の短絡事故や断線した際に、VT2次側の電圧がなくなってしまう。

RPRの誤動作とは?

構内の変圧器を無負荷で投入すると、過渡的な大きな励磁突入電流により、電流位相が極端に遅れ、逆電力として検出してしまう場合がある。

なので励磁突入電流の影響が想定される場合には、RPRを0.5秒以上の時間整定にして、誤動作を避ける必要がある。

また、正常時でも電流は流れている為、継電器の配線の向きを反対に接続してしまうと、逆潮流と判断される場合がある。

逆電力継電器の配線図

※K2ZC-K2WR-NR の場合


逆電力継電器の試験方法

※K2ZC-K2WR-NR の場合


・S1、S2への電源供給元が、蓄電池盤か直流変換装置か、確認する。
・供給元のMCCB開放、S1S2にてテスターで電圧確認。
・配線を外す前に、テープで名称を控えて貼っておく。
・P1とP3を短絡
・P1⇒電圧(V) P2⇒電圧(E)
・C1S⇒電流(Kt) C2S⇒電流(Lt)

■試験前の確認
・メーカーが用意した表から、逆電力整定値を元に、動作電流値(一番右側)を取得
・位相±30度の時の動作電流の理想値を求める(動作電流値 ✕ 1.15)

■タップ値から電流を求める表


■最小動作電流試験
・継電器の動作時間タップ値を最小に変更⇒ 0.1s
・試験機の電圧出力⇒110V 試験機の電流出力⇒0mA 試験機の位相⇒0度に整定をする。
・カウンタONにした状態で、電流を徐々に上げていき、動作した電流の値を測定する。
・判定基準は 表から取得した動作電流値±5%。
(電流を上げても動作せず、位相を変えることで動作した場合、逆接続を疑う)

■位相特性電流試験
・試験機の電圧出力⇒110V 試験機の電流出力⇒0mA 試験機の位相⇒進み(LEAD)30度で整定する。
・電流を徐々に上げていき、進み30度の時の動作電流を測定する。
・進みと同じ要領で、遅れ30度の動作電流を測定する。
・判定基準は、動作電流値 ✕ 1.15 ± 5% = 47.15mA ± 5%

■動作時間試験
・動作時間タップを元に戻す。
・電流を105% (上記の例だと41mA ✕ 1.05 = 43mA)に、位相を0度に、電圧は110Vに整定する。
・カウンタをONにした状態で、試験ONボタンで電流を流して、動作時間を測定する。
・判定基準は、整定値の±10%

K2ZC-K2WR-NT 配線図

■NTの特徴
二電力計法にて電力を計測、三相3線式の配線における不平衡の逆潮流が発生する可能性のある場合、これ1台で不平衡状態での逆潮流が検出可能。



K2ZC-K2WR-NT 試験方法



■配線方法
・P1とP3をクリップで短絡
・P1はV端子へ、P2はE端子へ
・C1TとC2Rをクリップで短絡
・C2TにKt端子、C1RにLt端子をつける
・S1、S2の配線を追い、元がどこに接続されているか確認する
(※直流か交流か、逆起電はしていないか、要注意)

■タップ値から電流を求める表
表はK2ZC-K2WR-NRと同じ

■試験方法
K2ZC-K2WR-NRと同じ

三菱 CRV1-A01 配線例


CRV1-A01 裏面


動作電力(%)と試験電流


定格2次電力 = √3 ✕ 110V ✕ 5A(CT2次定格)✕1.0(力率)
定格2次電力が1%の場合、試験電流 = 5A ✕ 1% = 0.05A

CRV1-A01 試験方法

17・18に電圧印加(定格AC110V)
19・20に電流線
13・14に信号線

RPR 単相用

単相用RPRは、単相PCSの逆潮防止のため、単相トランスの直下に設置する。
継電器の接点出力を使って、単相PCSの発電を停止させる。


ゲートブロック GB とは?
PCSを半導体スイッチで系統から切り離す(解列する)こと。

解列(かいれつ)とは?
太陽光PCSの系統連系リレーをオフしている状態を指す。
電力会社の、発電・変電・送電・配電設備に接続される系統から、物理的に切り離された状態のこと。

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