でんきメモ

過電流継電器 電流引き外し

引用:MOC-A1T-R ダウンロード(マニュアル)

OCR 電流引き外しタイプ
内部接点の構造から「常時閉路式」とも呼ばれる。
「X1トリップ用」という部分を参照。

配線図
C1R:R相CT2次側kからの入力
C1T:T相CT2次側kからの入力
T1R:TC1への出力
T1T:TC2への出力
C2T2R:C1R or T1Rからの戻り⇒AS⇒A⇒CTTcom相
C2T2T:C1T or T1Tからの戻り⇒AS⇒A⇒CTTcom相

内部ブロック図
C2T2R、C2T2Tの内部にはb接点(X1)があり、C1R、C1Tと繋がっている。
T1R、T1Tの内部には接点はなく、C1R、C1Tと繋がっている。
OCRが動作することでX1が動作しC1R⇒C2T2R、C1T⇒C2T2Tの間が開路する。

OCR動作試験を行う際、警報用のa1a2接点(X0)で信号を拾ったとしても、警報接点であってトリップ用接点ではない。
実際の運用ではトリップ用の「X1」が確実に動作することを確認する必要がある。
これはVCB遮断を伴う連動試験を行うことでX1トリップ接点の動作が確認できる。

試験方法

信号線は警報接点(a1-a2)などに接続する。
警報接点に配線が接続されている場合、ネジで緩めて片方の配線を外しておく。
配線が接続されていた場合、テスターでa1a2間の導通は出ないのに、OCR試験機のカウンタOFFでは導通が出る場合がある。
OCR警報接点の先が高インピーダンスでテスターでは導通が出ず、OCRカウンタでは導通確認がとれるから?

警報接点が壊れていた場合
接点⇔電圧モードを電圧にしておく。
信号線R相⇒C1R、T相⇒C1T、com相⇒C2T2R、これで試験できるはず。
内部b接点が離れてVCBトリップコイル側に電流が流れる際に電圧変化が発生するため。
ただし試験はできるが不良であることに違いはない。とりあえずOCRが動くかどうか確認のため。

電流引き外し トリップ電流の流れ

■OCR不動作時(X1接点 閉路)
R相:CT2次⇒C1R⇒C2T2R⇒電流計⇒CT2次(接地側)
T1Rの先はVCB(TC)とC2T2Rへの二股となっている。
TCはインピーダンスがあるため短絡されているC2T2R側へ電流が流れてCTへ戻る

■OCR動作時(X1接点 開路)
CT2次⇒T1R⇒VCB(TC)⇒C2T2R⇒電流計⇒CT2次(接地側)
OCR内部のX1トリップ用b接点が開くことで、電流はT1RのVCB(TC)の方へ流れる。

電流引き外し VCBトリップコイル焼損事故例

CTTよりOCR継電器に対して試験電流を流した。
OCRは動作し内部のX1接点は開路され、C2T2RよりVCBトリップコイル側に電流が流れた。
しかし継電器試験機の信号接点が外れておりカウンタがストップせず試験電流は流れたまま。
それに気が付かずしばらく電流を流し続けていたらVCBから煙と焦げ臭い匂いが出てきた。

瞬時要素試験が危険
例えば瞬時要素が20Aの場合、試験電流は200%の40Aを流す。
仮に40Aもの大電流をOCRとTCに流し続けると簡単に焦げ臭くなる。
試験器が信号を拾えず気が付かぬまま流し続けると大変危険。
そもそも配線自体が40Aもの電流に耐えられるケーブルではない。

その後の対処方法
VCBトリップコイルの抵抗値、絶縁抵抗値を測定し許容範囲内か調べる。
OCRとVCBの連動試験を実施してみて、動作に問題がないかどうかを調べる。

電流引き外しと電圧引き外しの端子の違い

電流引き外し

電圧引き外し

誘導型、電流引き外しの試験方法

誘導型電流引き外し裏面端子
3端子バージョン:C1、T1、C2T2
4端子バージョン:C1、C2、T1、T2
考え方は同じ、C1⇒C2へ電流が流れ、円盤が回る。
3端子の場合はT1とC2T2で信号接点をとる。
4端子の場合はT1とT2で信号接点をとる。

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