でんきメモ

三菱 誘導型OCR MOC-2型

MOC-2TI-R 外観写真


ダイヤル変更つまみ


瞬時と限時の変更つまみ


参考:MOC-2*-R形 取扱説明書 PDF

取説の配線図をトレースして電流計を追加してみた。


周波数:50Hz/60Hz 共用
定格電流:5A
限時:3-4-5-6-8A
瞬時:20-30-40-60-80A

記号の意味
Iあり:瞬時要素あり
Tあり:電流引き外し
Tなし:電圧引き外し

高圧受電点用(52R)
・MOC-2I-R(電圧引き外し・瞬時あり)
・MOC-2TI-R(電流引き外し・瞬時あり)

分岐フィーダ(52F)
・MOC-2-R(電圧引き外し・瞬時なし)
・MOC-2T-R(電流引き外し・瞬時なし)

瞬時要素あり⇒受電VCB
瞬時要素なし⇒分岐フィーダVCB

誘導型OCRの限時動作時間


ダイヤル1のとき
MOC-2(誘導型)
200%⇒1.0s
300%⇒0.4s
500%⇒0.2s
700%⇒0.14s

MOC-A1(静止型)の限時動作時間(ダイヤル1)

超反限時(EI)
200%⇒2.667s
300%⇒1.0s
500%⇒0.33s
700%⇒0.17s

反限時(NI)
200%⇒1.0s
300%⇒0.63s
500%⇒0.43s
700%⇒0.35s

誘導型の瞬時要素

入力は整定電流の200%で20ms以下で動作する。
誘導型の瞬時要素の動作時間は静止型よりも速く動作する(3ms~20ms程度)
投入位相によって動作時間に多少のばらつき(7ms前後)が出るらしい。

誘導型OCR MOCの回路構造


MOC-2-R
端子:C1、C2、T1、T2
電流回路:C1⇒MOC⇒C2
引き外し回路:T1⇒ICE⇒(MOCとICEの並列)⇒T2

MOC-2I-R
端子:C1、C2、T1、T2
電流回路:C1⇒IIE⇒MOC⇒C2
引き外し回路:T1⇒ICE⇒(MOCとIIEとICEの並列)⇒T2

MOC = 限時要素
IIE = 瞬時要素
IAE = 電流引き外しの動作表示と補助接触器
ICE = 電圧引き外しの動作表示と補助接触器

OCR誘導型 電流引き外しの試験方法


※R相のT2と、T相のT2をわたり線で渡らせなくても試験はできる。
CTT端子でCTとOCRを切り分けてOCR側(C1-C2端子)に対して電流を流す。
T1とT2端子に信号線を取り付けてOCR内部接点の動作を感知する。
C2とT2が同一の端子であった場合、C2T2端子に対して試験機のcom相を接続。
誘導型OCRは静止型OCRと違い警報接点a1a2端子が無い。

電流引き外しは通常、C1->C2に電流が流れている。
C1->T1も導通しており、T1の先にVCBコイルがありインピーダンスがあるのでそちらに流れない。
OCRが動作し内部b接点が開路された瞬間、回路がT1しかなくなるので電流がVCBコイルに流れる。
その切り替わる瞬間に電圧が発生するので、それを検知して試験機のカウンタをストップさせる。

それ故に、OCR電流引き外しの場合、トリップ信号は「電圧」で検知する。

OCR誘導型 試験上の注意

OCRの試験で仮に接点がとれず試験機からの電流が流れ続けた場合どうなる?
誘導型OCRに電流が流れ続け、誘導コイルが焼き切れて使用不可(円盤が不動作)になる可能性あり。
特性動作値を事前に把握しておき、何秒で止まるか理解した上でONボタンを押す。
想定以上の時間が経過しても試験機がストップしなかった場合、すぐOFFボタンを押す。

関連ページ

TOPに戻る