でんきメモ

CT 計器用変流器とは?

高圧用CTの外観

CTは英語で「Current Transformer」
CTは通常、高圧回路のVCB2次側、R相とT相に接続されている。
高圧回路に電流を流すと、CTの鉄心の磁束が変化する。
この磁束の変化に対応して二次側に交流電流が流れる。

■CTが必要な理由
高圧回路に流れる電流の量を電流計で測定するため。
高圧回路に流れる電流量を検知して遮断器を動作させ事故から保護するため。
RPR(逆電力継電器)やDSR(短絡方向継電器)の電流検出用のため。

■CTの仕組み

CTの仕組みはVTとほぼ同じ。
1次側コイル、2次側コイル、鉄心で構成されている。
1次側に電流す、鉄心に磁束が発生する、2次側に電流が流れる。
通常、CTの二次側は、低インピーダンスで使用する。
(VTの二次側は高インピーダンスで使用する。)

CT 複線図

CTの配置はVCBの2次側。
※VTの配置はVCBの1次側(まれにVCBの2次側にあることも)

高圧用CTの接地

CTの取付足・外箱:A種接地
CTの二次側端子:D種接地
低圧用CT:接地不要

接地する理由
一次側との混触による人畜の危険防止と計器の保護のため。
電気設備技術基準に規定されている。

CTの注意点

一次電流が流れている状態でCTの2次側を開放してはいけない。
CTは一次側に流れている電流に対してCT二次側に電流を流そうとする構造。
もしCT二次側をオープンにすると、開放端のインピーダンスは∞[Ω]となる。
ここに対して電流を流そうとするので、二次側の開放端には高電圧が発生。
CT2次側に高電圧が発生すると二次巻線で絶縁破壊が起こり短絡回路できる可能性。
そうするとCTの焼損事故につながる恐れ。

CT 性能

2次電流:5A 固定
1次電流:75A~400Aなど色々とある
定格負担:5VA~40VAなど色々とある

CTの選定方法

最高電圧:使用する回路電圧により決める
定格一次電流:一般に負荷電流の約1.5倍程度で選定
定格二次電流:5Aが標準
過電流強度:系統回路の短絡電流により決める(通常は定格電流の40倍)

過電流強度は、変流器の定格一次電流に対して電気的、機械的および熱的に耐える限度の電流を倍数で表したもので、単位はない。

①機械的検討
過電流強度 = 短絡電流÷定格一次電流

②熱的検討
過電流強度 =(√遮断時間 × 短絡電流)÷ 定格一次電流

変流器の過電流強度は、40、75、150、300などがある。

CTの巻数(貫通ターン数)


アンペアターン(AT)とは?
貫通形の巻線による定格一次電流のこと。
通常1ターンの値をアンペアターンと呼ぶ。

CTが100/5A の場合
1ターン:1次電流100Aに対して2次電流5A
2ターン:1次電流 50Aに対して2次電流5A
4ターン:1次電流 25Aに対して2次電流5A

1台の変流器で貫通ターン数を変えることにより数種の1次側定格電流に使用できる。
ターン数(巻数)によって精度は変わらない。

OCR電流引き外しとCTの組み合わせ

過電流引外し方式(変流器二次電流引外し方式)
変流器二次電流引外し方式は、継電器の瞬時要素で事故電流を遮断した場合、継電器のb接点に通電する変流器二次回路の大電流を開路して遮断器を引外す方式なので、b接点に損傷を受けることがある。
特に、一次電流が小さい変流器や、定格負担と大きく異なる小さな負担で使用する時に影響が大きくなり、損傷しやすくなる。
変流器の一次電流が40A以下の場合は、電圧引外し方式(コンデンサ引外し方式)が推奨される。

計器用変成器・操作用変圧器の二次側電路の接地

特別高圧計器用変成器:A種
高圧計器用変成器:D種
低圧計器用変成器:接地工事不要(電気設備技術基準の解釈第13条)
操作用変圧器:B種接地工事

操作用変圧器とは?
工業用制御装置などにおいて、機器の制御回路・操作回路に交流電力を供給するトランス(変圧器)
交流600V以下の定格容量が10VA~10kVA程度のものをいう。

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