2004年~2013年製の日本高圧電気のPAS
PASを開放状態から投入状態にできない事象が発生。PAS本体下にある気密栓に使われているボルトが緩んで内部が錆びた。
湿気がPAS内に入り、サビが発生し、開放からの投入ができなくなった。
操作機構部、可動電極摺動(しゅうどう)部にサビが発生し、動作を阻害する。
摺動とは滑らせて動かす動作のこと。
緩んだ原因
工事会社が気密栓をアース端子と間違ってアース線を接続した。
気密栓を工具で誤って緩めてしまった。
PAS下部に飛び出ており、床に置く際に大きな衝撃が加わった。
緩んだ箇所から中に湿気が入る原因
PASの気密不良箇所の隙間が微小な場合、外気と開閉器内部の温度差で呼吸する。
その際、湿気を含んだ外気が開閉器内部へと吸収される。
一度吸収された湿気は外部に放出されにくく、外気温が下がると内部で結露が発生する。
PAS開放する前の対処方法

PASを開放する前にSOG制御箱から絶縁抵抗測定を行い調査する。
測る場所
Va、Vc
Kt、Lt(アース間と一括測定)
P2とVcが共通端子になっている場合、Kt、Ltで測る。
2000MΩ以上計測できる機器を使う。
ない場合、1000Vメガーを使用する。
判定基準
2000MΩ以上:異常なし
500MΩ~2000MΩ:メーカーに連絡
500MΩ未満:点検中止・PAS交換の準備
理由
Va-Vcトリップコイルの周りは金属(接地体)で覆われている。
配線とトリップコイルの接続点はその近くにある。
⇒参考資料はこちら[PDF]
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