PAS 高圧気中負荷開閉器
イラスト
実物写真

本体裏面

300:定格電流300A
10.12=製造日:2010年12月
塩:耐塩型
VT:VT内蔵
LA:避雷器内蔵
文字の色:橙⇒鋼板製、青⇒ステンレス製
A:気中開閉器
メーカーマーク
T:戸上(黒色⇒1点接地対応品)
(E):エナジーサポート
PASとは?
PASは英語でPole Air Switch日本語で高圧気中負荷開閉器
PASの詳細例
定格電圧:7.2kV
定格周波数:50/60Hz
定格耐電圧:60kV
定格電流:200A/300A/400A
定格短時間耐電流(1秒間):8kA/12.5kA
定格短絡投入電流:20kA-3回/31.5kA-3回
定格過負荷遮断電流:400A-3回/700A-3回
ロック電流値:350A±50A/600A±100A
質量:約50kg
PAS内の回路図
PAS2次側(負荷側)にあるものZPD、TC(トリップコイル)、OCR接点、VT、LA
PAS1次側(電源側)にあるもの
ZCT
A種接地
P2、Z2、LAはPAS筐体に接続されておりA種接地へ
PASのA種接地
LA内蔵型PASの場合、LAとPAS筐体の接地は共用として、A種接地工事を施す。「高圧受電設備規程、1160-2表、接地工事の種類と接地線の最小太さ」に記載あり。
A種接地一般(避雷器を除く):2.6mm(5.5㎟)
避雷器:14㎟
2.6㎜を㎟に変換すると5.5㎟(5.5sq)
接地線は14sq以上を使用し、接地極の位置はPASの直近とする。
(※1号柱とキュービクルの位置が近い場合、キュービクル内A種接地との共用接地も可能?)
SOG制御装置の外箱が金属製の場合は接地が必要。
ステンレスボックス形SOG制御装置の外箱は必ず接地をする。
D種接地、または開閉器EAと共用接地でも可能。
PASやSOGからVE管を電柱に固定して地中埋設する。
※接地線の埋設管は金属管を使用してはいけないらしい(電技解釈)
PASのトリップコイル
■Va-Vc間の抵抗・戸上:150Ω
・エナジーサポート:30Ω
・日本高圧電気:16Ω
※値に異常が見られた場合、トリップできない可能性あり。
■トリップコイルの絶縁抵抗
PASトリップ回路 Va,Vb,Vcと、接地間の絶縁抵抗を500Vメガーで測定。
10MΩ以下の場合、PAS内への水浸入や制御ケーブル損傷の可能性。
PASがVT内蔵でない場合
PASにVTが内蔵されていない場合、SOG制御電源は受電設備の電灯MCCBから供給。停電前、受電設備にあるSOG制御電源用MCCBを探す。
そのブレーカーを入切して、SOG電源ランプが入切するかどうかチェック。
復電の際、PAS投入と同時にSOG制御電源もONにしたい。
PAS投入と同時にSOGまで電源が入るようにする。
受電設備DS、VCB、SOGのMCCBはすべて投入状態にする。
PAS投入と同時にSOG電源が入らないと、その間は無保護状態となる。
構内で地絡や短絡が発生してもPASが開放されず、波及事故に至る可能性。
■VT内蔵PASの特徴
VTありの場合、PASの底がポコっと伸びる。
VTなしの場合、底が引っ込む。
LAのありなしでは外観はあまり変わらない。
PASの責任分界点
電力会社と需要家との間に取り交わされる、保安上の責任区分点。PASの場合、PAS本体の1次側にある「口出線」に電力会社が接続をする。
接続工事は電力会社が行うので、接続点で事故が発生した場合は電力会社の責任。
この「需要家側のPAS1次側の口出線」と「電力会社が接続する接続点」が責任分界点。
PAS内部のVa-Vcの間に主回路連動のマイクロスイッチ
LDG-28A 大垣電機Va-Vcの間、PAS内部に主回路連動のマイクロスイッチあり。
これはトリップコイル回路保護のために取付けられている。
PAS開閉器を入状態にしないと、トリップ回路の測定ができない。
LTR-L-D 戸上
このタイプもPAS内部に主軸と連動しているスイッチがトリップ回路の途中にある。
PASは投入状態でトリップコイル抵抗は測定が必要。
無方向性・方向性
方向性:V0の零相電圧要素があり、V0、I0、位相の3つを検出して動作。無方向性:V0の零相電圧要素がなく、Ioの値だけを検出して動作。
PASが無方向性の場合、他需要家からの「もらい事故」で誤作動の可能性あり。
またこのタイプは製造年が古い場合が多いので指摘事項に交換推奨を記載しておいた方が良さそう。
関連ページ
- PAS 高圧気中負荷開閉器
- 日本高圧電気のPAS(2004年~2013年製)
- PAS トリップコイル 内蔵スイッチ(LTR-L-D・LDG-28A)
- LTR-M-D 戸上
- 戸上PAS Z2接地 仕様変更(KLT-P・KLT-PS)
- SOG制御装置
- SOG 警報回路 自己診断機能
- SOGのP1とP2を逆に接続したらどうなる?
- SOG制御装置の外箱(ステンレス・プラスチック)
- PGS 高圧ガス開閉器
- PASやUGSによるSO動作の例
- SOG エナジーサポート
- ODG-S31 大垣電機
- PASのSOG試験、最小動作電圧値V0の動作不良
- 停電前の接地抵抗計測定でSOGが動作しPASが開放
- SOGのV0(零相電圧)
- SOGの不必要動作(誤作動)
- SOG 中継端子箱(ハーモニカ端子)
- CHZ形(高圧絶縁監視機能付方向性SOG制御装置)
- PAS内蔵VTが105Vで計器用変圧器VTが110Vの理由
- SOG制御電源がPAS内蔵VTではなく変圧器2次側低圧から使用している場合
- LA避雷器内蔵PAS
- P1P2配線を外さず電源印加 VT焼損
- P1P2配線戻し忘れ、P1P2短絡でVT焼損
- PASの紐が絡まった・PASの紐が切れた
- PASの紐に植物(ツタ)が絡まって開放操作が出来ない場合
- 写真(AS・PAS・電柱・柱上トランス・スペーサー)
- 自立型PAS(キャビネット型)
- PASのSOGがGR動作でPAS開放、絶縁抵抗測定で異常なし、PAS投入で再び地絡、波及事故